内容説明
のちに一大企業グループを育て上げた男も、スタートは京都の小さな工場だった。戦争を乗り越え、家族の不幸、倒産の危機も克服し、世界に先駆けた発明と製品開発を次々に実現。高度成長とともに我々の生活に欠かせなくなった自動改札、信号システム、CD、ATMから健康器具までをも世に出してゆく。晩年まで、あくなき挑戦をつづけた男の原動力とは何だったのか。渾身の一代記。
目次
青雲の志
立石電機創業
倒産の危機
プロデューサー・システム
夢のスイッチ
生い立ちと社憲
自動券売機と再婚
交通管制システム
CDと無人駅システム
健康工学と福祉工場
電卓の誤算l大企業病胎児
人を幸せにする人が幸せになる
著者等紹介
湯谷昇羊[ユタニショウヨウ]
1952(昭和27)年、鳥取県生れ。法政大学経済学部卒。’86年、ダイヤモンド社へ入社し、以後、銀行を中心とした金融界を主な取材対象として活動。「週刊ダイヤモンド」編集長、同社取締役を経て、2008(平成20)年に退社し、フリーの経済ジャーナリストになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
21
ブラック企業と創業時は勤務状況が重なるが、そこから変わってくるのは、創業者がどれだけ信頼されて人望があるかということや頑張った結果、ちゃんと報われる業績を出すことにあると思った。SINIC理論を始め、技術が人間の多くの仕事を代替するという読みを既に1950年代からしているのはすごいと思った。2017/03/19
Tadashi_N
20
この方は、もっと知られるべき!2016/04/29
誰かのプリン
16
こんな凄い人が居たとは。発明から販売、開発、はたまた会社経営まで全て取り仕切り、現在までの大企業まで発展させた、初代社長 故立石一真氏の一代記。社長の人柄が社憲にも反映されていて感動する一冊でした。2017/04/16
おおにし
9
立石一真氏は大変偉大な経営者であったと思いますが、私が注目するのは西式健康法の西勝造氏の医学理論を経営に取り入れた点です。立石氏は西医学とサイバネティックスを組み合わせた健康工学を提唱し、脈絡を測る皮電計や物理療法自動診断機などを1960年代に開発しています。オムロンはその後電子血圧計や電子体温計などの健康機器のメーカーになって行きましたが、この健康工学を追及し続けたら、素晴らしい東洋医学応用の治療機器が生まれていたかもしれませんね。2013/10/09
Kitamuu
3
オムロンの創業者の名前をこの本で初めて知った。あのオムロンがこのような経緯を経て大企業になったとは。人間味豊かな創業者の生き方が垣間見るものだった。面白い。2016/03/30