新潮文庫<br> 南冥の雫―満州国演義〈8〉

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新潮文庫
南冥の雫―満州国演義〈8〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 618p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101343273
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

大海原ミッドウェーでの敗戦。インパール作戦という名の地獄の扉。各戦線で反攻に転じた連合軍。敷島兄弟は破滅の足音を聞く――。ミッドウェー大敗と本土初空襲。それは帝国の翳り。四郎は比島で抗日ゲリラの憤怒を体感した。少佐となった三郎は変転する戦を見つめ、太郎は自らの罪過が招いた惨劇に震えた。そして敷島次郎は劣弱な囚人部隊を率い、インパール作戦に加わる運命にあった。若き日駆け抜けた満州、彼の地より遠く離れた緑の地獄で男は何を想うのか。食い破られてゆく絶対国防圏。白骨連なる第八巻。

船戸 与一[フナド ヨイチ]

内容説明

本土初空襲とミッドウェー大敗。それは帝国の翳り。四郎は比島で抗日ゲリラの憤怒を体感した。少佐となった三郎は変転する戦を見つめ、太郎は自らの罪過が招いた惨劇に震えた。そして敷島次郎は劣弱な囚人部隊を率い、インパール作戦に加わる運命にあった。若き日駆け抜けた満州、彼の地より遠く離れた緑の地獄で男は何を想うのか。食い破られてゆく絶対国防圏。白骨連なる第八巻。

著者等紹介

船戸与一[フナドヨイチ]
1944‐2015。山口県生れ。早稲田大学法学部卒業。1979(昭和54)年『非合法員』で小説家としてデビュー。’85年『山猫の夏』で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。’89(平成元)年『伝説なき地』で日本推理作家協会賞を受賞。’92年『砂のクロニクル』で山本周五郎賞を受賞。2000年『虹の谷の五月』で直木賞を受賞。’14年、ミステリー文学発展への貢献により、日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カムイ

50
演義も八巻まで来た。今回はインパール作戦、愚策の極みであって軍上層部の無能振りを露呈した。ノモンハンでの辻政信をなんのとがめもなしで指揮をとるのは❗️終戦まではあと少し、それにしても次郎の死は…😓緑林の徒で馬賊として活躍してた時が華々しいかった。2022/07/10

マムみかん(*感想は風まかせ*)

43
第8巻。 たった今読み終わって、魂が抜けました…(泣)。 ミッドウェー大敗から、どんどん大きくなっていく大日本帝国崩壊の跫音。 もう、満州国の浪漫どころではありません。 そして、地獄のようなインパール作戦へ。 「精神論で勝て」と言う無能な上層部に、顎が落ちます。目が点です。 辛すぎるけれど、次巻で結末を見届けねば~☆ 2018/10/29

ヨーイチ

43
正直単調で投げ出したくなる時もあったが、あと一冊まで漕ぎ着けた。この巻では比較的小説らしいアクションがあるが、大河小説の終盤で狂言回しの兄弟達にもそれぞれの結末が近くなっているって事なのだろう。終盤のインパール作戦が面白い、というか酷いし救いがない。成吉思汗作戦を大真面目で陸大出のエリート達が立案、実行したかのと思うと集団的に発狂していたとしか思えな。余りの無茶さに忠義一徹の日本の兵隊も命令に背いて退却したという。牟田口とか辻の様な人達を選抜し昇進させたのも官僚制度の一面で似た人達は現在でもいるのだろう。2017/02/17

kinnov

25
歴史を弄ばす、満州国の興亡を通して昭和前半の日本を描いてきた作者の目は、常に冷徹で客観的だった。しかし、南洋やインパールでの皇軍将校や施政者達の無能、無脳、愚劣、卑劣な行いが延々と重なるこの巻では、東条、牟田口その他すべての日本人の卑劣な罪が、強く告発されていく。この時代の特別な人間が愚かだったのではなく、会社や組織の中で今も常に存在している変わらぬ現実を考えさせられる。無頼を気取り無聊の徒であろうとした浪漫も、活劇の結果ではなく、無策の犠牲として虫葬され無数の白骨の一つにしかならない哀しみが心に痛い。2017/02/08

ロデタ

22
狂気のインパール作戦。政府・軍上層部の無能ぶりが発揮されている。戦況の読めない愚劣な指揮官の下ではどういう作戦を決行しても勝てるわけがない。真実はどうだったのかわからないけど大きくは外してないだろうと思う。結末は残念でならない。2021/12/11

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