新潮文庫<br> 雷の波濤―満州国演義〈7〉

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新潮文庫
雷の波濤―満州国演義〈7〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 688p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101343266
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

太平洋戦争開戦! 敷島兄弟はマレー進攻作戦、シンガポール攻略戦を目撃する。連戦連勝に沸く日本人と増幅してゆく狂気を描く。昭和十五年、ドイツは電撃戦により、フランスを征服。帝国陸軍はすかさず北部仏印に進駐した。敷島次郎は独立を志すインド女性たちの訓練を行い、四郎は満映作品の取材中に人工国家の綻びを目撃する。太郎は心ならずもある謀殺に加担し、三郎は憲兵としてマレー進攻作戦に同行することに。太平洋戦争開戦、南進の成功に沸きたつ日本人と次第に増幅してゆく狂気を描く、第七巻。

船戸 与一[フナド ヨイチ]

内容説明

昭和十五年、ドイツは電撃戦により、フランスを征服。帝国陸軍はすかさず北部仏印に進駐した。敷島次郎は独立を志すインド女性の戦闘訓練を請け負い、四郎は満映作品の取材中に人工国家の綻びを目撃する。太郎は心ならずもある謀殺に加担し、三郎は憲兵としてマレー進攻作戦に同行することに。太平洋戦争開戦、南進の成功に沸きたつ日本人と次第に増幅してゆく狂気を描く、第七巻。

著者等紹介

船戸与一[フナドヨイチ]
1944‐2015。山口県生れ。早稲田大学法学部卒業。1979(昭和54)年『非合法員』で小説家としてデビュー。’85年『山猫の夏』で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。’89(平成元)年『伝説なき地』で日本推理作家協会賞を受賞。’92年『砂のクロニクル』で山本周五郎賞を受賞。2000年『虹の谷の五月』で直木賞を受賞。’14年、ミステリー文学発展への貢献により、日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カムイ

45
遂に日米開戦に突入してしまう❗️アメリカとの戦争回避に奔走している人物が幾人もいたことに改めて時代に翻弄されたのだろう。東条英機も戦争回避を模索していた節がある、アメリカの経済復興にかけた戦争介入にも憤りを覚える、正義の裏の顔にどす黒いお面を被るのである。ノンフィクションの中にフィクションを入れ込ませ兄弟たちのこの時代の傍観者に仕立てている。残り二巻、満州を取り巻く世界の情勢、其にともないひたひたと忍び寄る影に…。2022/01/16

マムみかん(*感想は風まかせ*)

38
第7巻。 前作がかなり辛かったので、続きを中々手に取れませんでした (2年半も積んでいたわ・笑)。 日独伊三国同盟、日米開戦、石油を求めての南進…。 政治家や軍上層部の、面子や権益の優先。邪魔者の容赦ない排除。 日本が急速に誤った方向へ進むのを、敷島4兄弟それぞれの立場を通して見続けることしかできないもどかしさ。 史実は動かせないので、フィクション部分である4兄弟の運命がどうなるのかドキドキです! 彼らは再会できるのかな。 やっぱり、一番心配なのは次郎兄さん~~☆2018/10/22

ヨーイチ

38
史は好きで満州国も興味がある。でもこの巻は少々辛かった。いよいよ米国が参戦。独ソ戦、ゾルゲ事件、複雑怪奇の外交戦が繰り広げられるわけだが、この作者はそこら辺の情報を「全部、会話の形」で読者を提供している!この形式もある意味凄いが、読んで楽しいかはまた別問題。結果異常な程、事情に通じ、予知能力を備えた人物達が次々登場してくる事になる。読み始めから抱いていた「ある種の違和感」の正体がわかった。特にこの巻は大東亜戦争開戦当時の社会情勢を全て積み込んだ大歴史年表と呼ぶのが相応しい。続く2016/11/14

kinnov

21
ナチス・ドイツの電撃的進行、満ソ緊張と泥沼化が続く支那事変。皇軍南進から太平洋戦争勃発。全ての国に絶対の正義はなく、国や個人の思惑、人種への偏見や利権が渦巻いているだけだ。誰一人この戦争の責任を逃れる事はできない。施政者を弱腰と批判し、感情的にさらにと望んだ一般の市民もだ。軍、政府官僚の責任を回避し有耶無耶にする体質、己を恥じないトップと大衆、全ての登場人物たちへの著者の視線は冷酷だ。告発もしなければ赦しもしない。救いがないのは、今の日本が何も変わっていない事だ。絶望を感じながらも目を離す事ができない。2017/02/01

てぃと

18
小説の舞台は満州・中国から遂にマレー・シンガポールへ。戦火の拡大にあわせて敷島兄弟の行動範囲も更に遠くへ広がります。よく知らなかった満州の歴史を紐解きたくて読み始めた満州国演義シリーズですが、この辺りに来ればさすがに私の知っている歴史の知識を一致するようになりました。満州で馬賊だった次郎が軍属になってシンガポールにいるとは....なんとも数奇な運命です。弱みを握られている太郎はこのままドツボにハマっていく気配が.....。クライマックスに近づいていくのを強く感じます。2016/11/21

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