出版社内容情報
たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い――。若き青年医師の奮闘を描く安住版「赤ひげ」青春譚。
たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い――。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川診療所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。
内容説明
たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い―。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川養生所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。
著者等紹介
安住洋子[アズミヨウコ]
1958(昭和33)年、兵庫県尼崎市生れ。’99(平成11)年、「しずり雪」で長塚節文学賞短編小説部門大賞を受賞。2004年、中短編集『しずり雪』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
46
安住さんの作品は人に対して温もりがある。周五郎さんの赤ひげも好きだったが、淳乃祐の周りの大人達の思いやりと温かさが、彼の性格をつくったのだろう。懸命に働く者に、それに見合う人の集まりができるのは金銭に負けない。親としての責任と生き様を考えさせられる。昔の小石川療養所も時の吉宗によって創られたものだが、今の高齢者施設や病院となんら代わりない介護の現状。介護の質の低下・病院のたらいまわし・ジェネリック薬への案内。正社員と非正規雇用の差が現実の老人介護施設にも影響を及ぼさないといいのだが。2015/07/22
ごへいもち
22
もう少し同じ著者の物を読みたいけれど寡作なんだね2023/05/05
楽駿@新潮部
16
読書会仲間本。新潮の100冊イベントで、しばらく読みかけ放置でしたが、やっと読了。やっぱり、安住さん好きだなぁ~♪武士の世界も、商人の世界も、理不尽なことはたくさんあって、それをあきらめてしまうか、その身をかけて、抗議していくか。それは、今の時代も変わらず。伊佐次って名前は、やっぱり、素敵。(笑)字は違うが、宇江佐さんのあの本で、聞きなれたお名前は、それだけで心地よい。この後、長崎に行ってからのお話も気になるので、続編出ないかな?他にも、安住さんの本の紹介を受けているので、順に読みたい。2017/09/18
ラスカル
7
小石川養生所で働く高橋淳之祐。重病人を思うように治せなくて悔しい思いをすることが多い日々をうれいながらも献身的に働いていた。養生所の問題もありながら、淳之祐の実の父が汚名を着せられて切腹し、淳之祐は高橋家に引き取られ医師になった事情を抱えていた。その過去の事件の真相が明らかになり、父の真意を知り衝撃を受ける。やがて淳之祐は長崎へ行って勉強することを決意する。さわやかな読後感。2019/02/28
Nobuko
7
やっぱり先にひなし坂読んでいて正解だったかも。伊佐次の存在感がましたもの(笑) 全体的にもうちょっと掘り下げてもいいかなぁって感じながらも心地よく読めました。教えてくれた方に感謝です2017/08/30