出版社内容情報
作家・野々村保古は、最愛の女性ことりと、四匹の猫といっしょに暮らしている。十五歳下のことりと知り合ってから二十年、二人はかたときも離れることがなかった。還暦を前にした野々村は、知人の死をきっかけにこれまで出会った人たちへと思いを馳せるようになる。そんな時、ある事件からことりへの疑惑が生じ……。人生という「奇跡」の意味を考え、小説の淵源へと迫る著者渾身の自伝的作品。
内容説明
作家・野々村保古は、最愛の女性ことりと、四匹の猫といっしょに暮らしている。十五歳下のことりと知り合ってから二十年、二人はかたときも離れることがなかった。還暦を前に、知人の死をきっかけにこれまで出会ってきた人たちへ思いを馳せるようになる野々村。そんな時、ある出来事からことりへの疑惑が生じ…。人生という「奇跡」の意味を考え、小説の淵源へと迫る著者渾身の自伝的作品。
著者等紹介
白石一文[シライシカズフミ]
1958(昭和33)年、福岡県生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000(平成12)年『一瞬の光』でデビュー。’09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、’10年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
44
人生の奇跡から小説の原点を語っているようでした。長いこと片時も離れなかった存在と夢。自分の寄り添う希望や夢とは何かを考えさせられました。2024/07/25
ω
34
60歳を過ぎた白石先生の回顧録ω 小説のテイだけどほぼ体験談というか創作は少ないみたい。600ページ超の大作で何か起きると思ってたけど、大事件は起きず。いつものヒリヒリする刺激を求めて読んじゃいけなかったな。2024/10/11
練りようかん
15
名前は異なるが聞き上手な主人公は氏自身であり、今は亡き人々の回想は著作の元ネタ発見が随所にあって面白い、特に編集者時代の賞にまつわる業界の動きは下世話根性を隠せず想像妄想を走らせた。一方思索小説とあとがきに書かれていたように、死に対する鋭敏さは安定の節で生涯の研究テーマなのだと改めて思った。離婚不成立のまま20年を共にした君との在り方や欲した根底を、生きることと書くことがほぼイコールの主人公に掘り下げさせたのはハードな仕事だったように思う。“裏表のない言葉には理屈を超えた力が宿る”を本書の端々で実感した。2025/04/03
時代
11
白石一文氏の自伝的小説。妻のことりがいかに大切な存在なのか。やっぱり作家さんって変わってらっしゃるんですね。大変興味深く楽しませて頂きました◯2022/08/15
かずぺん
4
深淵を漂うかのような心境にさせる。2022/11/01
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