新潮文庫<br> 救命―東日本大震災、医師たちの奮闘

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新潮文庫
救命―東日本大震災、医師たちの奮闘

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101336619
  • NDC分類 498.89
  • Cコード C0195

出版社内容情報

あの日、医師たちは何を見、どう行動したのか。個人と職業の間で揺れながら、なすべきことをなした九名の胸を打つドキュメント。

あの日、医師たちは何を見、どう行動したのか――津波の恐怖にさらされ、家族との別れを覚悟しながら患者を誘導、極寒の病院の屋上で人々を励まし続けた医師がいた。自身も心に深甚な傷を負い、ともに涙して患者を癒した医師がいた。個人とプロフェッションの狭間で揺れながら、彼らはなぜ行動し、何を目指したのか。9名の医師による東日本大震災の貴重な証言、感動のドキュメント。

内容説明

あの日、医師たちは何を見、どう行動したのか―津波の恐怖にさらされ、家族との別れを覚悟しながら患者を誘導、極寒の病院の屋上で人々を励まし続けた医師がいた。自身も心に深甚な傷を負い、ともに涙して患者を癒した医師がいた。個人とプロフェッションの狭間で揺れながら彼らはなぜ行動し、何を目指したのか。9名の医師による東日本大震災の貴重な証言、感動のドキュメント。

目次

その時、「お前は医者じゃないのか!」という声が聞こえました―宮城県南三陸町公立志津川病院内科医 菅野武
心のケアの専門家だから傷つかないわけではないんです―宮城県名取市東北国際クリニック院長 桑山紀彦
この避難所「ビッグパレットふくしま」で命を失った方は一人も出ませんでした。それが一番の誇りです―福島県双葉郡富岡中央医院院長 井坂晶
心の問題で自殺する人を一人でも減らしたい―千葉県松戸市旭神経内科リハビリテーション病院院長 旭俊臣
震災を機に医療の力を見直してほしい―岩手県大槌町植田医院 植田俊郎
日本のような先進国で身元不明者がいるなんて絶対に許せません―宮城県歯科医師会大規模災害対策本部身元確認班班長 江澤庸博
災害時の医療統括の重要性を痛感しました―千葉県市原市五井病院理事長 川越一男
医療がないと人は離れていく。医療が立ち上がれば安心する―岩手県陸前高田市県立高田病院院長 石木幹人
患者さんと話していると、自分まで癒されます―岩手県宮古市国民健康保険田老診療所所長 黒田仁

著者等紹介

海堂尊[カイドウタケル]
1961(昭和36)年、千葉県生れ。医学博士。外科医、病理医を経て、現在は重粒子医科学センター・Ai情報研究推進室室長。2005(平成17)年、『チーム・バチスタの栄光』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年、作家デビュー。確かな医学知識に裏打ちされたダイナミックなエンターテインメント作品で、読書界に旋風を巻き起こす。’08年、『死因不明社会』で、科学ジャーナリスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

314
東日本大震災の直後から、現場での医療、あるいは救護・救援活動に携わった9人の医師たちの証言記録。大半は自身も被災者であり、中には最愛の妻を津波で喪った医師もいる。また、病院や医院も津波等で甚大な被害を受けており、医療機器や薬品ばかりか、食糧や水さえない状態の中での苦闘だった。まさに「医は仁術」を越えるほどの獅子奮迅の働きである。被災者たちにとってどれほど励みになったことか。今、読んでいても敬服するとともに、頼もしい思いを持つ。この人たちが医者であったことは、ほんとうに良かったとつくづくそう思う。2016/03/18

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

144
東日本大震災の現場で戦った9人の医師の証言集。自らも被災しながら人々を励まし不眠不休で診療を続けた医師。心に深い傷を負い、患者と共に涙しながらも決して逃げなかった医師。プロフェッショナルであると同時に、一人の人間全部で困難に立ち向かった姿が言葉の向こうに透けてみえ、何度も胸が熱くなった。それだけに、解説に寄せられた監修者の海堂尊氏の言葉には背筋が伸びた。被災地に残る生活の痕跡を『瓦礫』と呼ぶ人間は「境界線の外側の人間だ」と海堂氏は指摘する。本当にそうだと痛感した。受け売りで言葉を使う事に自覚的でなければ。2016/02/28

しいたけ

125
「医師とは、いのちを救い、死を悼む存在」という。病院どころか自宅も流され、時間が空けば遺体安置所に妻を探しに行く。そんな中にあって患者のために診療を続けることを、「使命感」によるものではないと吐露する。医師の本質とは、かくも崇高なものなのか。医師の仕事にヒーローはいらないと語る。読み終えたいま、それでも私は、彼らをヒーローだと思う。「真のリーダーとは、周囲のみんなに明日を生きる希望を与えることができる人」。あの被災地に沢山のヒーローがいたこととともに、胸に刻んだ。2018/03/16

ケイ

123
再読。医師が…、というより看護婦、保健師、病院のスタッフ、それぞれが出来ることをしようとしたことが尊い。震災関連の本を読むたびに、被災しながらも自分に出来ることを反射的に行っていた人がいたことに感動する。3月とは言え、東北の寒さの中、疲れや精神的ダメージから体調を崩す人は多かっただろう。作者に対しては、行政に対する不満を訴えている人にページを割くより書かなくてはいけない大切なことはもっとあったのではと思う。2016/03/26

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

75
(2024-38)【図書館本】 2011年3月11日。巨大地震と津波により多くの命が奪われた。その中で奮闘した9人の医師達へのインタビュー。電気や水だけでなく、満足な治療器具や薬もない状態。身体のケアだけじゃなくて心のケアも必要となる多くの人々。もちろん、ここに登場した人だけでなく、被災地では多くの医師たちが献身的な治療を行っていた。私の級友も福島原発の近くの救急医療病院で働き、今もそこで地域の医療にあたっている。頭が下がる思いである。★★★★2024/03/15

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