新潮文庫
漱石、ジャムを舐める

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101336510
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

胃弱なのに濃厚な味を好み、門下生が集まれば必ず牛鍋を囲む。羊羹、お汁粉、ケーキなど甘いものが好きで、特にお気に入りは自家製アイスクリーム。医者に止められながらも甘い苺ジャムをおやつに舐める…。漱石が食べた物を、その作品や日記書簡などから仔細にピックアップし、文豪の素顔をあぶりだすユニークな書。詳細な食文化年表と物価表付き。夏目家の収入、家計簿も紹介。

目次

第1部 作品にみる食文化史(漱石の食卓;西洋料理とデザート;飲み物;食材;日本料理;菓子;飲食店)
第2部 食文化年表(慶応三年~大正五年)
第3部 物価(明治~大正初期)

著者等紹介

河内一郎[コウチイチロウ]
1940(昭和15)年、東京生れ。’44年、山梨県に疎開。山梨県立甲府第一高等学校、中央大学商学部卒業後、缶詰製造元・総合食品商社の株式会社サンヨー堂入社。同社に38年間在職の後、退社。高校時代からつづけてきた漱石研究のテーマを“食”に絞り、調査を開始。神奈川近代文学館・友の会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜長月🌙新潮部

74
漱石が食べたものを、その作品や日記から取り上げた研究本です。漱石の好物で今も伝わっている食べ物やお店があれば行ってみたいと思い読んでみました。「吾輩は猫である」に出てくる団子屋は今も谷中の近くにある「羽二重団子」でここには行ったことがあります。タイトルにもなっているジャムは苺ジャムで、胃弱と言われていたのに「一月に8缶も食べた。」とあります。一番の好物は牛鍋でこれはお店を特定できていません。2021/10/18

猫丸

18
得難い資料である。漱石あるいは作中人物が食したと思われるモノを追跡調査する。どこで幾らで誂えたか。食物史と小説を繙き、対照通覧照合する。明治大正を通じての食糧物価、主要食堂ホテルの資料にも渉る力作。漱石食い物関係はこれ一冊で足りるだろう。ぜひとも解明して欲しかった「坑夫」における茶屋で蠅のたかった揚げ饅頭についてはスルーであるのは惜しい気がするが(p.194に少し記載あり)、ビールや牛乳、鰻、泥鰌、駅弁、西洋料理に関しては詳細を極める。三四郎の喰った弁当は草津駅にて求めたと推定。2020/10/12

ワッピー

5
夏目家でどんなものを食べていたかを作品およびその他資料から割り出した物好、おっと稀有な研究。当時は今のように菓子は氾濫していなかったとはいえ、またいくら甘党とはいえ、ジャムを大量になめるなんてなかなかできるものではない気が・・・また鉄道探偵的な三四郎の駅弁問題も面白いですね。巻末の食文化年表と食品関連の物価指標は本当に労作です。2015/02/14

菊痴

4
中身もさることながらあとがきがとても良い。 後書きに、漱石とは国民的作家の域を超えて、最早漱石という学問だ。と書いてあり、うんうんと頷いて読んだ。 これは彼の人間らしい魅力がそうさせるのだと思う。 死してなお、人々の飽くなき探究心を満足させ続ける漱石とは一体どんな人間だったのだろうとおもったらもう漱石学の門をくぐっている。2017/09/09

ayako

3
漱石の食生活が読めて興味深いです。 確かに存在した人物なのに、過去の偉大な人物ということで、 どこか存在がフィクションのように思ってしまっていた人だけれど、 食という一面から見ることでなんとなく現実の存在感を感じる。 (うまく言えない…) 2016/04/30

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