内容説明
無条件降伏による敗戦、そして占領。制度改革、新憲法、家督の廃止。安保改定と高度成長。衛生的高層不燃住宅、高架式自動車専用道路…。日本の戦後を有形無形に造りあげてきたこれらの事象は、我々の何を、どのように変質させたのか?解放と喪失、理念と現実のはざまを生きた個々の感触を、文学作品に表現された鋭敏な具体性のなかに見極め、微細かつ大胆に検証する昭和の精神。
目次
敗戦のイメージ
占領の二重構造
“家”の変容
転向の帰趨
性とそのタブー
60年安保
史観と歴史小説
住居感覚のディレンマ
“留学”の終焉
帰属願望の屈折〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこづな
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接客空間が機能してないっていうのはそのとおり。2009/05/12
YMTrade2
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1945年8月15日を境に、環境、思想含め日本国内がどのように変わっていったか、家/性/住居環境など10個の視点から描く。その当時の共産主義者、民主主義者等々の主義主張など対比している点を挙げつつ分析をしていく、難度の高い論文と言う方が正しいと思う。内容としては、個人的に正直に言うと6割ほどしか理解できていないとは思うが、その概論だけでも理解ができると論の深さがよく分かる。様々なその他文献、書籍を用いて論拠するので興味が広がる。2020/05/13