新潮文庫
地を這う祈り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101325354
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

世界各地のスラムで目の当たりにした、貧しき人々の苛酷な運命。弱者が踏み躙られる現実を炙り出す衝撃のフォト・ルポルタージュ。

今この瞬間の飢えを凌ぐため、子供は蛆にまみれた生ごみを口に運び、今日を生きる金を得るために路上売春婦は自らの身体を売る。そして多くの喜捨を得ようと子供の手足を切断し、街中に立たせるマフィア――。インド、アフガニスタン、アフリカなど世界各地のスラムで生活を共にすることで見えてきた、弱者が踏み躙られる現実。苛酷な運命を炙り出す、衝撃のフォト・ルポルタージュ。

内容説明

今この瞬間の飢えを凌ぐため、子供は蛆にまみれた生ごみを口に運び、今日を生きる金を得るために路上売春婦は自らの身体を売る。そして多くの喜捨を得ようと子供の手足を切断し、街中に立たせるマフィア―インド、アフガニスタン、アフリカなど世界各地のスラムで生活を共にすることで見えてきた、弱者が踏み躙られる現実。苛酷な運命を炙り出す、衝撃のフォト・ルポルタージュ。

目次

第1章 血を流す少年―物乞い
第2章 スラム―貧民窟
第3章 少女売春婦の死―路上の性愛
第4章 台車の老婆―食生活
第5章 病気のドラッグ売り―薬物依存
第6章 ゴミの中の胎児―廃品回収
第7章 路上の恋文屋―大道商人
第8章 テロリストの墓―紛争地
第9章 檻の中の子供たち―障害者施設
第10章 路上の神様―祈り

著者等紹介

石井光太[イシイコウタ]
1977(昭和52)年、東京生れ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころりんぱ

51
石井さんが取材した世界各地の貧困地域、そこに確かに生きていた人たちの写真と、そこで感じたことをまとめたもの。私が多分一生この目で見ることのない光景。大学一年の時初めての海外旅行でアフガニスタンの難民キャンプを訪れたのだという。びっくり。目を背けたくなる写真も多いけど、知ったからどうにかできるものではないけれど、読みたくなる。多分石井さんが伝えたいことと、この仕事を続けている理由を知りたいからなのです。なんていうか、装飾や嘘がなさそうなのが良いのです。2015/03/13

kinkin

47
知るためには現地へ行くことが一番だ。本書に出てくる彼ら、彼女たちに直接会うことが出来るのだから。と考えた。しかしいざそれを見て知ろうとしてもきっと自分の中の何ものかが心の裾を引っ張るに違いない。飢えないために哀れみを乞いわずかな金銭を得てもその途端に、強い者に取り上げられてしまう。弱肉強食とはこのことなのか、いやアフリカの大地を駆け巡る動物のほうが動き回れる分幸せなのかもしれない。最底辺で生活というものから遥かに遠い生を知ることが出来た。あとがきに何かを感じ考えてくれたらという言葉がある。随分考えた・・2015/01/19

masa

26
世界各地のスラム界に飛び込んで目を覆いたくなる貧困の実態に迫ったフォト・ルポルタージュ。日本に住んでいる私には全く想像のつかない絶望的な世界が現存することを写真によって突き付けられる。読後の気分は決して良くはないが、臭いものに蓋をせず現実を直視することも大切なことだと感じた。161132016/10/16

ヨクト

26
石井光太さんの途上国のルポ。久しぶりに精神の深層にまで到達する言葉にできない塊を感じた。貧困地における物乞い、売春、ドラッグ、戦争、飢餓、マフィア、障害、疫病の姿を叩きつけられた。他の作品では書き起こされたルポがメインだが、本書では多くの写真も掲載されており、よりリアルに感じるのだ。嫌悪感なのか、罪悪感なのか、認識できない何かにぼくの身体が悲鳴をあげている。そんなインパクトを持った内容だった。2015/07/19

たまきら

25
タイトルに惹かれて。ああ、絶対貧困の著者だ。内容は残酷で、祈りなど届かない。救いの手を差し伸べても振り払われる悲しさは「蜘蛛の糸」のようだし、救いを求める手を何度も振り払う、けれど忘れられない著者の醜い誠実さに怒りを覚えたり。露悪趣味、ショックバリュー。なんとでも言うがいい。現実はただそこにある。祈りは著者の希望なのかもしれないが、全く無意味だし、彼のことばも空しい。それでも生きていく力が人間を、自分なりに受け止めたいと思う。2017/05/23

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