内容説明
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康―三人の天下人と対決したキリシタン大名高山右近の波瀾にみちた生涯を追って、これまでにない新鮮な戦国史像を浮かび上がらせ、風波の激しい荒海においてもつねに一定の方向を示す心のコンパソ(羅針盤)とは何なのか、彼が目ざした魂の故郷とはいったいどういうものであったのかを描出し、国際化の時代を生きる現代人の指針ともなる畢生の力作。
著者等紹介
長部日出雄[オサベヒデオ]
1934(昭和9)年、青森県生れ。新聞社勤務を経て、TV番組の構成、ルポルタージュ、映画評論の執筆等に携わる。’73年『津軽世去れ節』『津軽じょんから節』で直木賞、’80年『鬼が来た 棟方志功伝』で芸術選奨、’87年『見知らぬ戦場』で新田次郎文学賞を受賞。該博な知識と取材力を生かした評伝に定評がある
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感想・レビュー
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KAZOO
87
長部さんはよく調べて書かれていると思われます。キリスト教大名の高山右近の生涯ですが、荒木村重や信長などとのやり取りが前半は中心ですが、宗論が面白く読みました。キリスト教徒仏教の宗論、さらには同じ仏教の間での宗論でのやり取りが迫力があってわたしてきには楽しめました。2015/10/13
金吾
29
高山右近の人間性の秀でている部分がよく伝わります。宗論の部分が面白かったです。村重の謀反の背景が少し見えたように感じました。2023/01/12
それいゆ
25
一昨年12月に、NHK歴史秘話ヒストリアで、絶対に裏切らない武将として放送されましたが、そのとおりでした。主君である和田惟長、荒木村重と対決せざるを得なかった事情や心の葛藤がよく伝わってきました。村重に人質としてとられている妹と嫡男を守って信長を敵とするか、わが子、妹、父を犠牲にして信長につき高槻のキリシタンの命を救う方を取るか、苦渋の決断は思っても見なかった結末となります。右近が多くの人から慕われた理由がよく分かりました。2012/06/27
Nakaki Takao
0
高山右近が列聖されることになった。だげど、どんなことをした人か何も知らない。なにかないかと探しあてたのがこの本。電車の友が混雑してきました。 ところが、電車の友に異変が。友を読み出すとすぐに睡魔が。「田原本」とか「京都」とか、聞きなれない駅名が聞こえてくる。乗り過ごしです。 明日から、この本で頑張ろう2016/02/07
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