内容説明
大正中期、四国の隔絶された漁村に異国船が現れた。目的な高価な桃色珊瑚。乱獲の結果、珊瑚は採れなくなって久しかったが、イタリア人エンゾはあきらめずに海に潜り続ける。そんな彼に惹かれていく海女のりんを幼なじみの健士郎は複雑な気持で見つめていた。やがて採れないはずの珊瑚が発見されたことから、欲望にとり憑かれた若者たちが暴走し始め…。直木賞作家の傑作伝奇小説。
感想・レビュー
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i-miya
50
2014.02.06(01/26)(つづき)坂東眞砂子著。 02/04 (P260) 英俊、補陀落渡海について調べ始める。 土佐へ行った僧侶もいた。 室戸岬と足摺岬。 足摺岬は金剛福寺。 千手観音がご本尊。 補陀落山寺のある那智勝浦と同じく、古来補陀落浄土と比される土地。 平安-鎌倉にかけ、海渡した僧侶、残された者たちの悲しみ、地団太を踏み、足ずりにしたことからこの名がついた。蹉だ山、また同じ、つまづいて思うようにならないさまをいう。 2014/02/06
i-miya
49
2013.12.26(12/26)(つづき)坂東眞砂子著。 12/24 (p250) ほら、珊瑚網、きれいにしたらまたうみへ入れるんだ、と多久馬の指示。 網から磯花除去する作業。 鬼火えのおびえ。 2013/12/26
i-miya
48
(読んだわけではありません。2014.01.28日経死亡欄から)(題名=『山姥』で直木賞) 2014.01.27死去、55歳。 奈良女子大卒業。 イタリア留学。 帰国後、童話作品発表。 1993『死国』ホラー小説ブームの先駆。 1997、明治末期の雪国舞台『山姥(やまはは)』で直木賞。 2002、『曼荼羅道(まんだらどう)』で柴田錬三郎賞。 2014/01/28
ちぐりん
40
《再読》「お月さま 桃色 誰がゆうた 海女がゆうた 海女の口 引き裂いちゃれ」という土佐伝承歌を基に書かれた伝奇小説。 大正中期、四国の鄙びた漁村で、幻となったはずの桃色珊瑚樹を巡って起こる惨劇。小さな社会の中のでの差別、金欲、性欲、支配欲…ありとあらゆる人間の欲を抉り出す文章が素晴らしい。 そして文字から磯の香り、汗の匂い、血の臭いを感じ、じっとりと湿度を感じ、波の音と一緒に土佐弁が聞こえてきます。ほんの小さな勘違いや思い込みをきっかけに、すべてのことが地獄絵図に向かって動き出す。→2019/04/15
i-miya
40
2013.03.14(つづき)坂東眞砂子著。 2013.03.12 あのな、海で、流れ仏を拾うと、大漁になるというじゃろ。 三郎と健士郎。 櫻が浦、無縁墓地。 よう成仏せん。 多久馬。 鰹節製造の開始はあの事故以来のこと。 祖父の代。 兼吾。 健士郎。 ケンカ、やめり。 ゲン直しだ、夜這いだ。 千恵とじゃあ。 三津恵。 拒まない娘たち。 よほど身持ちが固い娘でないかぎり。 村八分、拒むと。 2013/03/14
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