内容説明
おいしいものが好き。よろこんでもらうのはもっと好き。だから、手みやげをおもたせにしてふるまわれるのは何よりうれしい。大切なあの人の笑顔のために、心を込めて著者が選んだ品々は、きどらず、品よく、どれもおいしいものばかり。名店の逸品から手作りの一皿まで、豊富な写真と共に紹介。ここ一番の手みやげに困ったあなたの味方にもなる、使えるおみやげカレンダー。
目次
三月五日 おすしでお祝い―笹巻けぬきすし総本店「笹巻けぬきすし」
三月十七日 手ぶらじゃ、ちょっと―桃林堂青山店「小鯛焼」
三月二十二日 夜中に準備―「シュリカンド」
三月二十三日 これなあに―「シュリカンド」
四月三日 春だから―塩野「花衣」
四月八日 海をおすそわけ―浜田海産物店「ちりめんじゃこ」
四月十一日 地元の傑作―オオサワ「ガーナ」
四月十三日 大仏さんの掌―森奈良漬店「きざみ奈良漬」
四月三十日 年に一度の―岬屋「水仙粽」「羊羹粽」
五月九日 馴染んだ味―うさぎや「草だんご」〔ほか〕
著者等紹介
平松洋子[ヒラマツヨウコ]
1958(昭和33)年、倉敷市生れ。東京女子大学卒業。フードジャーナリスト、エッセイスト。世界各地に取材し、食文化と暮らしをテーマに執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
102
またまた付箋だらけである。欲しいものばかり、食べてみたいもの、行ってみたいところがまたまた増えてしまったではないか。おまけに読んでみたい本まで増えてしまったぞ。まことに困ったことだ。当然のことながら東京のものが多い。これまた困ったことだ。どうしてくれよう。「あとがき」に書かれた平松さんの愛読書『ピアノの音』(庄野潤三)を買いました。庄野氏の本は高校生の時に『プールサイド小景』を読んで以来だ。正直なところ、あの頃は庄野氏の良さをわかっていたとはいえない。いまならわかる気がする。2018/01/12
おくちゃん🌹柳緑花紅
75
おもたせ。平松洋子さんが実際に贈ったり頂いたりした絶品おもたせ。どれだけメモしたことか。「まつのはこんぶ」頂いたなら飛び上がって喜んじゃう。北海道の仲間たちにあのみずみずしい水ナス味わってほしいなぁ。等々色々な大切な人に想いを馳せながら私の胃袋に想いを馳せながら美味しい美味しい優しい一冊に大満足。たくさん紹介された中に北海道の物があったら更に嬉しかったなぁ。取り寄せたいリスト作りました。平松洋子さんは気取りがなくて大好きです。2014/12/08
つねじろう
70
豊かさって大事だよねと思う。そう贅沢とかお金は有るわよとはちょっと違う。心の在り方というか他人を気遣える想像力の豊かさかなぁ。またその心を形に置き換えて表現出来る才能?喜ぶ顏が見たいからの努力を惜しまない結果を重ねて得た技とか工夫とかそれ自体を愉しむ余裕?任せろ人を喜ばせる引き出しは結構持ってるぜみたいな。なんかそれもカッコいい。そんなおもたせが季節に順じて55品どれも頂きたいし持って行きたくなる。其々に想いや腕まくりや奮闘努力がありそれも楽しめる。この本自体もそんな豊かで素敵な女性からの頂きものでした。2018/12/31
ぶんこ
46
自分が大好きな品を持参して「おもたせ」をいただく至福の時。またお客様からいただいた品を「おもたせ」として一緒のいただく幸せ。そんな素敵な時間をたくさん持たれている平松さん。たくさんの素敵な交流があることに驚きつつも羨ましい。私にとっては自分から自分への「おもたせ」になるけれど、欲しくなって検索しまくりました。唯一義両親への手土産、密かに「おもたせ」期待の品としての「末富の両判」。「末富ブルー」と呼ばれるオリジナルの包装紙に惹かれたのですが、何と今は無いのか?検索したら別物になっていて寂しい。2018/02/26
ユメ
46
おもたせという日本語はこんなにも柔らかな響きを含んでいたのか。お口に合うかしら、喜んでいただけるかしらといささか緊張しながら選んだ手土産が、相手の「おもたせですが」のひと言でぱあっと晴れやかに。贈り手ともらい手がおもたせを分かち合う時間は、優しい嬉しさに包まれている。素敵な文化だ。本書には平松さんの選んだおもたせの写真がフルカラーで掲載されていて、包み紙の美しさまで含め、分かち合う瞬間の幸福を思い描くことができる。血の通ったやりとりに心がほっと和らぎ、私もこの文化を継承できるような大人になりたいと思う。2018/02/13