内容説明
基本のごはん、水、豆腐、お茶。えりぬきの調味料。季節の味、母の味。各国各地で出会った味。―おいしいごはんのためならば、手間はおしみません。東奔西走もいたします。舌の悦びを味わいつくす平松さんが、日々培った、とっておきの食の楽しみと知恵を大公開。愛用の調味料を使った、かんたん料理のレシピ付き。
目次
うちの「おいしい」(お豆腐屋賛江;水は買うものではなく;幸せのごはん ほか)
わたしの調味料(黒七味;コチュジャン;柚子胡椒 ほか)
「おいしい」を探して(京都ぷにぷに旅;天丼を食べに浅草へ;白熊捕獲大作戦 ほか)
巻末対談 東海林さだおvs平松洋子
著者等紹介
平松洋子[ヒラマツヨウコ]
1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。フードジャーナリスト、エッセイスト。世界各地に取材し、食文化と暮らしをテーマに執筆している。著書に『買えない味』(筑摩書房、Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おくちゃん🌷柳緑花紅
81
一冊丸ごとよだれもの♪うちの「おいしい」・私の調味料・「おいしい」を探してそして巻末対談、みんな美味しそう!!特に興味深いのは調味料。これを変えるとまるで別物になるのを体験している。お料理の写真やレシピも載っていて全部作ってみたい。原了郭の黒七味を使ってスパゲティを先ず!紹興酒、いつも日本酒で代用していたけどやっぱり買おう!美味しい日常に憧れる!!2015/04/06
カナン
56
日本の別称のひとつは「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国」。美味しいものに溢れた国。美味しいものに敏感な国。鉄瓶で沸かした湯の甘さ、炊き立てのご飯のまろやかな白、まあるく尖りの無い玉露の風味、生きた土の息遣いを感じる根菜の力強さ、ことことことこと、子守唄のような音を立てて煮込んだ極上のスープ。手間暇を惜しまず食を楽しむ著者の生活は、とても正しくしゃっきりと背筋が伸びていて羨ましい。でもちょっとだけ、最先端の技術も認めてあげて欲しい。失われつつある味を守ろうとしている現代人の努力や愛情は、昔と同じだと思うのです。2015/02/16
yumiha
53
空腹のときに読んではいけませぬ。おいしそうなものを実に的確に描写されておりますゆえ。そして、著者の食へのこだわりがぎっしり。なんせご飯を炊く釜が5種類もあり、うっとこのタ〇ガー炊飯器など味気ないものはござらんのですわ。調味料の章には23種類を紹介されており、ひとたらしすれば劇的に味も風味もUPするそうな。少々高くても使ってみたい…と思ったけれど、同居息子は肉類ガッツリ&飯ガシガシちゅうタイプだから、微妙な味わいなんか気にもかけへんやろ。無駄。せめて紹介されていた和菓子の栗きんとんを一度賞味してみまひょ。2024/01/25
天の川
50
うちの「おいしい」/わたしの調味料/「おいしい」を探しての3章。調味料の章が興味深かったけれど、読んでいて食べたくてたまらなくなったのはキノコ!フレッシュなポルチーニも食べたいし、昔、開田高原で職場の先輩がご馳走してくれたキノコ鍋も忘れられないし…と、9月を目の前に、秋のキノコ三昧に夢が膨らんだ。2021/08/23
ユメ
48
平松洋子さんのエッセイを読むと、翌日台所に立つときの気分がしゃきっとする。私には、まだ自信を持って「私の食卓」と言える味がない。「カット・アンド・カムアゲイン」という言葉を胸に留めて、「私の食卓」を見つけにいこう。生きるためにいただく命を、感謝をこめて「美味しい」と思えるような料理を作ろう。調味料をうまく使って。単なる料理のレポートではなく、それを作る人への敬意が伝わる温度のある平松さんの文章に改めて感銘を受ける。世界ではいくらでも私の食べたことのない味が待っているのだと思ったら、心が愉悦で満ちた。2017/05/29