内容説明
「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教輸は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。
目次
序章 「史上最悪の殺人教師」
第1章 発端―「血が汚れている」
第2章 謝罪―「いじめでした」
第3章 追放―停職6か月
第4章 裁判―550対0の不条理
第5章 カルテ―PTSDの真実
第6章 判決―茶番劇の結末
終章 偽善者たちの群れ
「でっちあげ」事件、その後
著者等紹介
福田ますみ[フクダマスミ]
1956(昭和31)年横浜市生れ。立教大学社会学部卒。専門誌、編集プロダクション勤務を経て、フリーに。犯罪、ロシアなどをテーマに取材、執筆活動を行なっている。『でっちあげ』で第六回新潮ドキュメント賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
391
『モンスターマザー』と完全同系統。違いは旦那さんまでモンスター。こういう本や、部活動顧問の違法性のニュースとかを見るたびに、教師という職業の未来を案じる。教職にメリットややりがいが、どんどんなくなっている気がする。モンスターマザーでもそうでしたが、弁護士や精神科医って本当にこんなにいい加減なのでしょうか?さらに、この作品が鳴らす警鐘をきちんと理解するならば、川上先生の事も疑うべきなのだろうか。最終弁論の態度やネットワークビジネスの件とか、この人も脇の甘さがあるのですよね…。疑心暗鬼になるなぁ(^^;2016/07/10
三代目 びあだいまおう
307
「死に方教えたろか?」と当時9歳の教え子を恫喝した史上最悪の『殺人教師』まさに極悪非道、悪魔に等しい所業である!この記事を目にしたら誰もが猛烈な怒りに震えるだろう!本書が紡ぐ事柄が仮に真実ならば(読んだ私は真実と受けとるが)こんなに恐ろしい事はない。人間の底深い恐ろしさが浮き彫りに。私が当事者だったらきっと耐えられない。逃れられない!史上最悪の教師とされた側は事実と全く異なる親側の徹底した虚言で家族もろとも窮地に追い込まれる!例え嘘でも大声で訴えればそれが真実とみなされる非道、この社会!是非読んで‼️🙇2020/03/06
yoshida
271
実に恐ろしい冤罪事件である。私もこの事件を地元紙で知り非常に驚いた記憶がある。この作品を読むと、この事件がでっちあげだったと分かる。痴漢冤罪事件でも言えるが、自分のやっていない事は決して認めてはいけない。この事件の被害にあった教師は約10年間を裁判に費やした。せめて名誉は回復されたのだろうか。所属する組織も守ってくれない。マスコミは誤報を飛ばす。誤りを認めない弁護士とモンスターペアレンツ。やはり自分の身は自分で守り、マスコミの情報を鵜呑みにしない事が大切と思う。この事件は誰しも遭遇の可能性があると言える。2019/01/06
JKD
248
この本は危険。本気で背筋が凍った。 メディアと公的機関も巻き込んだ集団ヒステリー。まるで噛み合わない話と、お互いの態度に終始ムカムカする。モンスターペアレンツの言動や態度はまさに狂気の沙汰。 いったい何を読まされているのだろうかとさえ思った。これが実話なのだから、ほんと恐ろしい。2018/11/11
absinthe
239
単行本の結末に2審の結果が追加された文庫版。殺人教師とまで呼ばれた前代未聞の虐め教師事件。いじめは真実なのか?実はすべてモンスターペアレントの虚偽に基づくでっち上げ事件であった。本事件は有名でマスゴミの取材不足によるとされる。良く読むと校長と教頭の態度が事件を悪化させたと考えられる。事なかれ主義の校長が問題を小さくさせようと体罰を執拗に認定しようとさせたため問題が拗れている。教育委員会も事なかれ主義に陥りロクな調査もしていなかったという。マスコミも4年3組の親に裏付けを取るなどの事実確認をしなかった。2021/02/04