内容説明
インドは広く、そして深い。インドを覗くと、何が見えてくるのか?人一倍の好奇心と行動力で“覗きの河童”がスケッチブックと巻き尺を携え、インドの大地を這いまわった。下痢にもめげず、熱射病も乗り越え、体験したものは…。細密イラストと手描き文字で、浮かびあがらせたインドの素顔。上から下から斜めから、“生き生きインド”が見えてくる。空前絶後のインド読本決定版。
目次
カルカッタ
聖なる河
聖なる牛
カジュラホ
アグラ
タージ・エクスプレス
デリー
カースト制度
再びデリー
ボンベイ
ハイダラバード
マドラス
カーンチープラム マハーバリプラム
マドゥライ
鉄道の旅
最南端
コーチン
マイソール
バンガロール
アジャンタ エローラ
ウダイプール
ジャイプール
スリナガル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
240
ヨーロッパ篇に比べると、人を描いたものが多いという印象。また、見慣れたせいもあってか、前作ほどには絵に驚きを感じなかった。そうはいっても、表紙のタージマハールの絵をはじめ、余人の追随を許さないものであることは確か。合わせて、いつもなかがらに練達した文章を読む楽しみも。あとがきでも強調しているが、インドはあまりに広くて多様だ。たとえ1年いたところで、これがインドだとは言えないのだろう。だから、「河童が覗いた」というタイトルには、まさにそうした謙虚な旅人の姿勢が現れていて、その点でも好感が持てる本だ。2014/12/09
nonpono
67
1985年の刊行。読書メーターの登録数が1400を越す。インドへは3回も旅する機会に恵まれた。初めて旅したのは22才、1997年だった。いろんなインド本で予習、復習をしたけど、今から旅する人にも読んでほしい。ホテルの部屋のイラストが上から覗いたような視線で俯瞰図のように描かれている。ガンガー、ガンジス河で沐浴もしているし、ヒンズー教の寺院や河岸の様子、火葬の様子なども綿密なイラストで紹介する。ある意味、写真と違う味わいがある。タージマハルでも、まるで語り部のように物語を語ってくれる。わたしの愛蔵本の一つ。2025/01/24
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
44
観光地ではないインドの諸地域を周りながら様々なトピックを探求しており、当時の日本人はほとんど知らなかったであろう「インド」を教えてくれる。 舞台美術家でもあり、パースをきちんととった俯瞰図も特徴的。 かなり鮮明に描かれていて当時のインドの様子がまざまざと窺える。2019/07/02
まい
37
患者さんが教えてくれた本、高校生の時に読んで人生が変わったって、世界に羽ばたいた彼女。アメリカでしばらく雑誌の編集されていたそうです。 何度も挫折しながらやっと読了、日本とは環境がかなり違うことだけはわかりました。しかし、手書きの文字と絵には脱帽。2023/04/01
毒兎真暗ミサ【副長】
32
著者の河童さんはグラフィックデザイナー。文字も自筆。イラストも自分で味のある素朴な図解。インド人のイラストも克明だ。第一章【カルカッタ】から河童さんの災難は始まる。空港でまず荷物を盗まれ、タクシーに乗ると650円の料金なのに6500円請求される。やめて(笑)だけど河童さん。「インドに来たぜーこれぞインド!」と実感が湧いたらしい。変人(笑)河童さんから見たインド。なんだかワクワクするね!2024/06/11