内容説明
人の夢を糧とする異界の“花”に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花”の魔力に打ち克てるのか?開花の時を迎えた“花”は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は?そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは?いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
1962(昭和37)年東京生れ。川村学園女子大学准教授。オーストラリアの先住民族アボリジニを研究中。著書は、『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)の他に、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞)、『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)、『夢の守り人』(路傍の石文学賞)、『神の守り人 来訪編・帰還編』(小学館児童出版文化賞)などがある。2002(平成14)年巖谷小波文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zero1
541
夢は逃避のためにある?人生の岐路はどこに?第3弾、精神世界の話を再読。前の巻はバルサがメインだったが、今度はトロガイとタンダの師弟コンビ。一ノ妃とタンダの姪が眠ったままに。姪を救おうとして鬼神の花守りに変身したタンダ。全力で戦えず苦悩するバルサ。かつて死闘を繰り広げた狩人ジンたちの力を借りる。トロガイたちの試みは成功するのか?成長したチャグムも再登場。解説は「バカの壁」で知られる養老孟司。世界を変えたければ自分を変えろ。「よいファンタジーには、悪人はいない」と力説。次は「虚空の旅人」。2019/08/02
抹茶モナカ
475
人の夢を糧として育つ花。善でもあり、悪でもある歌い手のユグノ。トロガイの過去。呪術士タンダの活躍。夢や、芸術の両義性について、ぼんやり考えさせられた一作。アラサーのバルサを中年と呼ぶのは、やはり、引っ掛かるが、そういう世界の物語なんだろうな。でも、やっぱり、中年はもっと先だと言いたい!2015/06/27
absinthe
409
シリーズに脂がのってきた。今回も面白いし時間が限られた焦燥感も良い。夢の中に囚われて帰ってこられないというテーマはありがちだが、既視感はまったくない。各自、定められた使命を最大限に全うしようとする。運命を受け入れる姿に感動。このシリーズはファンタジーだが話を掘り下げるために設定を上手に使っており、道具立てがドラマと結びついていて良い。このシリーズに根っからの悪人は無い。たまたま、そうならねばならぬ運命があっただけだ。2019/10/03
どんちん
383
なんとなく続きが気になっていた、バルサシリーズであった。今回は、どんな異世界ファンタジーが展開されるか、ナニゲに期待をしていたw <花>ね、まさにファンタジー!w バルサ自身の活躍は少なかったのが残念ではあったが、ジンvsダンダはとても迫力があったり、トロガイやダンダの過去や、その後のチャグムなど、ボリューム盛りだくさんで、満足のいく一冊だった。ただ、ユグノの設定が軽かったかなぁ もっと”母”との接点があったり、一緒に活躍!みたいなのがあると・・・ちょっと児童向けすぎてしまうかな?ww2014/01/06
射手座の天使あきちゃん
305
人間が、悲しみや絶望から逃避したくて見る夢を糧に成長する不思議な「花」。その「花」の力に引き寄せられチャグムが、タンダがナユグ(異次元界)に囚われてしまいます、はたしてトロガイとバルサは彼らを助け出すことが出来るのか!? 今回は、人間の心のありようがテーマだったような・・・、かなり哲学的なお話でした <(^_^; さて次はどんなお話かな、楽しみぃ♪2011/10/23
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