新潮文庫
マネーロンダリング―国境を越えた闇金融ヤクザ資金

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101301914
  • NDC分類 338.1
  • Cコード C0195

内容説明

高利を貧るヤミ金融の巨大ネットワーク―それを背後から操っていたのは指定暴力団山口組系組織だった。捜査陣は苦難の末に犯行手口を解明、事件を摘発するが、莫大な収益は香港、スイスへとすでに消え去っていた。刑事、検事たちは、国境を越えるブラックマネーの正体をいかにして暴いたか。警視庁担当記者が、「五菱会ヤミ金融事件」の舞台裏を克明に追ったクライムノンフィクション。

目次

プロローグ
第1章 山口組の資金源
第2章 プライベートバンクの闇
第3章 カネの運び屋
第4章 ヤミ金融の帝王
第5章 海外捜査の壁
第6章 暴かれた手口
第7章 消えたカネの行方
第8章 意外な判決
エピローグ
海外へ消えるブラックマネーの現在(文庫版書き下ろし)

著者等紹介

平尾武史[ヒラオタケシ]
1965(昭和40)年、大阪生れ。慶應義塾大学経済学部卒。’89(平成元)年に読売新聞社へ入社し、千葉支局を経て、社会部に配属。警視庁、国税庁、警察庁などを担当し、外務省の機密費流用事件、ODAリベート疑惑など、数々の経済事件、汚職事件の取材を手がける。警視庁記者クラブキャップを経て、現在同社広報部次長を務める

村井正美[ムライマサミ]
1969(昭和44)年、東京生れ。筑波大学大学院理工学研究科卒。’94(平成6)年に読売新聞社へ入社し、金沢総局を経て、社会部に配属。警視庁、文部科学省などを担当し、マルチ商法などの生活経済事件や少年事件、教育問題の取材で活躍。現在、警視庁記者クラブサブキャップを務める。共著に、ファルマシア・アップジョン医学記事賞特別賞を受賞した連載企画記事をまとめた『生と死の現在』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Walhalla

25
タイトル買いしました。クライムノンフィクション作品ですね。 巨額のマネーロンダリング事件が摘発されるまでの一連が描かれていますが、なるほど、著者は警視庁記者クラブキャップを務められた方のようで、ブラックマネーの動きがすごく生々しくて、かなり刺激的でした。2017/05/19

緋莢

12
図書館本。2010年刊行(元本は2006年刊行)。『特殊詐欺と連続強盗』でも書かれていた、特殊詐欺の源流になったと いわれる五菱会のヤミ金融。その違法収益のうち、約百億円が外資系金融機関を利用し、香港やスイスに隠されていたことが発覚。〝ヤミ金融の帝王”梶山と、クレディ・スイス銀行(ノンパフォーマー=収益の上がらない人間、はいらないと幹部が言う銀行。最低の預入額が100万米ドル)の神保(仮名)の出会い、割引金融債を使った〝洗浄(ロンダリング)”などなど(続く 2024/10/10

Miyako Hongo

7
以前読んだ同じネタは小説だったが、こっちはバリバリのフィクション。ヤクザ絡みのヤミ金融の利益を香港の銀行に預けて脱税する手口の詳細。摘発しにくい国境を越えた犯罪が明るみに出す警察の奮闘。金の足取りを追うのって大変なんだなあ、御上がキャッシュレス化を進めようとするのも賛成できんけど判るなあ。□TVCMで「過払い金の返還請求」をバンバン流してるけど、あれの大本は海外から返還された金を被害者に返さにゃならんと言う国際的な取り決めによる物っぽい。キナ臭いなあと思ってる。それこそヤクザの資金源になるような感じ。2019/05/15

とみやん📖

3
やっぱり、ノンフィクションは面白い。本邦初の大型マネーロンダリング摘発事案の顛末を詳細に綴り、それが法体系にどんな影響を及ぼしたのか、浮き彫りにした課題はなんなのか、理解できた。 国際捜索を強化するため、政府や司法関係者の人材育成が急務だと改めて認識した。2013/12/26

うたまる

2
実際に使われたマネーロンダリングの手法と捜査の問題点などを丁寧に描くノンフィクション。やりきれないのは、悪事をはたらく犯罪者とそれを暴く警察官の間に、善良な市民を演じつつ二股をかける金融業者の存在。共犯にならないよう積極的な関与は避けつつも「意識的な無視」「意図的な怠慢」「意識的回避」によって、事実上マネロンに加担している。金融機関の「犯罪収益だとは知らなかった」を無罪にせず、マネロンに関わったという事実があれば必ず罰金や行政処分などのペナルティを課す、という姿勢で臨まないと、まあ、無くならんだろう。2012/09/19

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