新潮文庫
大いなる看取り―山谷のホスピスで生きる人びと

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 446p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101301815
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

東京・浅草を少し北へ行けば、山谷のドヤ街。その一角に「きぼうのいえ」という小さな施設が誕生した。元蒸気機関車運転手、元731部隊員、元板前、元やくざ、元子守…。さまざまな事情を抱えながらも、ここへ辿りついた彼らは、残る日々を活き活きと過ごし、「最期」のときを迎える。一人ひとりの人生ドラマとそれを「看取る」人々との濃密な時間を追う。渾身のノンフィクション。

目次

隅田川花火と散って
ドヤ街のマザー・テレサ
お茶会の花形役者
浮草に根をくれし館天の川
シベリアの手品
フルコースをどうぞ
生きる糧、そして散骨
ある愛の終着駅
拳銃密輸5百丁?
輝き〔ほか〕

著者等紹介

中村智志[ナカムラサトシ]
1964(昭和39)年、東京都生れ。上智大学文学部を卒業後、朝日新聞社へ入社。「アサヒグラフ」「週刊朝日」「アサヒパソコン」の各編集部、東京本社社会部などを経て、現在「週刊朝日」副編集長。著書に講談社ノンフィクション賞を受賞した『段ボールハウスで見る夢』(のちに『路上の夢』と改題)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

99
山谷や、大阪の釜ケ崎にしても、そこ全体がホームレスの溜まり場でガラが悪く、悪臭が漂い、酔っ払いが昼間から寝ているという先入観がある人が多いことは確かだと思う。しかしこの本の舞台である山谷には実に濃い人生を過ごして来た人が多いことを知った。またそこで働くスタッフの優しさにも感動した。現代のような自分が生きることが精一杯の時代、家族や社会との関係が薄い人を介助することは金銭面でも大変なことだと思う。若者たちが減ってゆく中で、これから彼らのようなスタッフの成り手も減るのか心配だ。図書館本 2025/01/04

来訪者

7
結構前ですがツイッターで知った作品で図書館で借りてきました。人間最大のストレスと思われる死について、自分の最後が近い事を知った方達の最後までをどう生きるかを描いたノンフィクション。他人に看取られる時代が来ると文中ありましたが、今の時代の孤独死のニュースを見たりすると当時より速いペースで寂しい社会になっているのかも。この国にはもう立ち止まってる時間はない。2011/12/03

Ted

5
'10年1月刊。(底本'08年3月)このホスピスを取り上げたドキュメンタリーを以前TVで観た時、強い印象を受けた。番組では足りなかった部分(入居者の来歴やスタッフとの関係等)を本書が(ややセンチメンタルな嫌いはあるものの)うまく補えていると思う。山田洋次が映画『おとうと』を撮る際の参考にした縁でインタビューが載っており「公立のきぼうのいえがもっとなければいけない」と発言しているが浅慮の極み。こういう施設はお役所仕事ではできないし馴染まない。山本夫妻のような人達だからこそできるのだということが分っていない。2012/10/16

ゆかるりら

4
世捨て人とか流れ者みたいなイメージがあるドヤ街「山谷」の死を待つ人々が入居してるホスピスのノンフィクション。元731部隊の隊員、ダブル不倫のダブル駆け落ちカップルが印象に残った。2017/03/15

patapon

3
それぞれの人生が少しでも安らかに、満ち足りた終わり方を迎えることができたらどんなにかいいか、と思う。それは福祉制度の問題だけでなくて、死に対する日本人の考え方のほうが大きいと思う。つまり、何をもって生きるとするか。アメリカ人のキャロルさんの讃美歌を聞きながら津軽生まれのタカさんがみた夢のエピソードがいちばん心に残った。2020/05/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/552469
  • ご注意事項

最近チェックした商品