新潮文庫
響きあう脳と身体

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101299549
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

現代科学の問題点はどこにあるのか。冒頭から「現代科学・科学者批判」を展開する古武術家・甲野善紀氏。それを柔らかに受け、共感を示しつつも、時に反論を加えてゆく脳科学者・茂木健一郎氏。脳と身体の無限の可能性を考え抜き、限界を見極め、さらにはその壁を超えるべく飽くなき努力を積み重ねてきた両氏による真剣勝負。現代社会の問題点を抉り出す知の交響楽、スリリングな対話。

目次

第1章 身体の同時並列性と科学(時系列の科学と、同時並列の身体;信仰化する科学 ほか)
第2章 欲望の力(「知」が人を足止めする;火事場のばか器用 ほか)
第3章 身体を通した教育(感化力が教育の鍵;個人としての有能さよりも、コラボレーションできる力を ほか)
第4章 同時並列的知性にむけて(限定が知を生み出す;運命の定不定と、脳の偶有性 ほか)

著者等紹介

甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949(昭和24)年、東京生れ。武術研究者。’78年、武術研究に専念するため、松聲館道場を建て、他流儀や異分野と交流し、古伝書を解読して独自の剣術、抜刀術、体術等を模索しながら古人の動きを探究している

茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962(昭和37)年、東京生れ。脳科学者/理学博士。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、同大大学院物理学専攻課程を修了。理化学研究所、英ケンブリッジ大学を経て現職。主な著書に『脳と仮想』(小林秀雄賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すー

6
「AかBか」という直列的-局所的な思考ではなく、「AもBも」という並列的-分散的な思考をしなければ物事の本質を捉え損ねることになる。例えば、「ゆとり教育か詰め込み教育か」「TPP参加か不参加か」という発想ではなく、教育なら「子供たちが社会を生き抜く力を身につけるためにはどうすれば良いか?」を考えるべきだし、経済なら「国民の生活を豊かにするにはどうすれば良いか?」を考えるべきであるということ。部分に固執するのではなく、常に全体を見渡しながらなされる思考が現代においては必要とされている。2011/11/23

nchiba

6
最近頭ばかり使って身体を使わない、使えないとよく思う。タイトル通り脳と身体は響きあうのだ。本ばかり読んでいないで身体を使おう。と、僕は思ったな。2010/12/15

晴間あお

3
「響きあう」というタイトルは、時系列と同時並列どちらの意味も含まれていてなかなか深い気がする。矛盾していることもたくさん出てくるがそれもそのはずで、その理由は本書の中でも語られている。限定的な部分の解は出しやすいが、それらをただ足しただけでは全体にはならない。だからと言っていきなり全部やろうとしても無理だろうし、部分と全体のバランスやネットワークが大切ということか。自分の知っている中では養老孟司の「脳化」、東浩紀の「ゲーム的リアリズム」、梅棹忠夫の「情報産業論」あたりとも響きあっていると思った。2018/09/25

Satoshi Arashima

2
でっかくなり過ぎた「脳」への警鐘。身体性を取り戻す。要素還元論的な発想の限界。型稽古の本質。見習い文化の再考。甲野さんすご過ぎるんで、簡単に真似できないですが、ヒントはたくさんもらえた気がします。2013/12/20

えいな

2
解説通り確かに、噛み合ってるような噛み合ってないような不思議な対談集。たぶん読者に何かを教える本じゃなくて、こういう人がいるって感じることが重要なんだろうなぁ。甲野さんはやっぱりすごい…wこういう人がいて、考えてることがあるってだけで一種の勉強になるよなぁと思う。そういうのもあるんだ、って広げていくことが大事なのかな。2010/11/27

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