内容説明
あの日、僕は、親友の草太、伸男と、自転車で走り始めた。生まれ育った南房総の風ケ丘から、目指すは大都会・東京。新世界への旅立ちだ。喜びや挫折を味わいながら、僕らは夢に向け、ペダルをひたすら漕ぎ続けた。仲間と、東京から日本海を目指す自転車ラリーを完走した。もちろん素敵な恋もした。単行本版『自転車少年記』の構想を元に新たに書き下ろされた、爽快無比の成長小説。
著者等紹介
竹内真[タケウチマコト]
1971(昭和46)年、新潟県生れ。’95(平成7)年に三田文学新人賞を受賞。’98年に『神楽坂ファミリー』で小説現代新人賞を、’99年に『粗忽拳銃』で小説すばる新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
70
自転車を中心に爽やかな登場人物がキラキラする話。自分もマラソンやる前は29erのMTB、ロードバイクで休みの日は良く走ってました。作中で1日で300km走った話があったけどすごいなぁと思った。自分は静岡から浜松の往復が主な走路だったけどそれでも往復で160km。約半分。体力や脚以前に尻が痛くてそこが一番のネックだった。ランドナーや折り畳み等いろんな自転車が出てきて楽しかったしエアロバーの用途もなるほどと思ったりしたけどエピソードでサドルについても触れて欲しかったな。サドル沼は浅くはないし。★★★☆☆2018/05/24
ちはや@灯れ松明の火
50
かつて少年だった青年たちも、これから少年へと育っていく子供も、その時はひとりの少年として風の中に起つ。鳥が一対の翼を持つように、彼らの傍らには身体の一部に等しい一対の車輪。新たな日々への希望を抱いて故郷を巣立った日も、夢を失って幾つもの山を越えた時も、生まれたての小さな生命へ会いに急いだ夜も、はじめて自分の小さな足で漕ぎ出した瞬間も、円い翼をひたすらにはばたかせて。風を感じる、風に背を押される、風に立ち向かう、風と共に走る、風になる。友から友へ、親から子へと、輪を描いて繋がっていく絆もまた、風の中に。 2011/07/02
Willie the Wildcat
34
青春を共に過ごした仲間との思い出から”再会”。息子へ夢の継承。夢って書くと大層な響きだが「時間」のような気がする。仲間との楽しい時間のみならず、自分を無にする時間。どうにも仲間3人との中学時代の自転車旅行が頭に浮かぶ。目的はなく仲間との時間なんだよなぁ。但し、本著のように3人でまた走ることはないのが寂しいところ・・・。だから(奏を含めた)仲間の”再開”は、素直に羨ましい。マウンテンバイク、ロードレーサー、ランドナー・・・、違いを踏まえて共有する時間。永遠の青春!って感じ。2016/04/17
みーま
32
夢を追う男同士の友情を、少年期から大人になるまで描いた作品。まるでノンフィクションのような現実味のあるストーリーで、一昔前の・・・SNSなど関係ない時代の青年達の心理描写がリアルに表現されている。 2013/08/05
higurashi_jp
31
「自転車少年記」の続編的小説。単行本のほうは新潮ケータイ文庫で読んではまった。友情恋愛成長物語っていいね!2017/07/22