内容説明
“ハーブの女王”と呼ばれるラベンダーに富田忠雄が魅せられたのは昭和28年、21歳のとき。以来、十勝岳連峰を見やる富良野の広大な畑でラベンダーひとすじに働いてきた。日本一有名になった花農場「ファーム富田」には、紫の花の香りに誘われて毎年百万人もの観光客が訪れる。著者撮影のカラー写真で農場の美しい四季を紹介。ラベンダーの歴史や栽培方法、楽しみ方までわかる一冊。
目次
フォトギャラリー ラベンダー畑の四季
1 富良野地方とラベンダー
2 南仏プロヴァンス、ラベンダー街道夢紀行
3 プロヴァンスの親友ルネ・ギャロン
4 歴史と伝統の国イギリスのラベンダーを訪ねる
5 南緯43度のラベンダーをタスマニアに訪ねる
6 プロヴァンス、ラベンダー事情(ラベンダーとラバンジン)
7 日本、ラベンダー事情(香りに親しむ暮らし)
8 富良野地方を代表するラベンダー4種
9 物語の世界を創作するエッセンシャルオイル
10 ラベンダー畑の12カ月
著者等紹介
富田忠雄[トミタタダオ]
1932(昭和7)年、中富良野に生れる。農協青年部理事長、新星ラベンダー耕作者組合組合長、SAJ公認富良野スキー学校校長などを歴任。’90(平成2)年、南仏においてオートプロヴァンス・ラベンダー修道騎士の称号を受ける。同年、北海道新聞文化賞を受賞。’98年、全国組織「ラベンダークラブ」代表就任。’99年、北海道産業貢献賞を受賞。現在、花農場「ファーム富田」を経営
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
37
若干21歳でラベンダーに魅せられた富田青年。結婚を機にラベンダー栽培を親から許されてからの紆余曲折。化粧品香料の原料として栽培されていましたが、合成香料の進歩と輸入自由化で衰退の一途。トラクターでラベンダーを踏みつけることがどうしても出来なかった富田夫妻。そんな崖っぷちで起きたのが観光ブーム。JRのカレンダーに載ったことで、カメラマンや観光客が押し寄せます。その人たち向けにサシェや香水、匂い袋、リース、ドライフラワーなどを作成。南仏プロヴァンスから日本、タスマニア等々に拡がった経緯も書かれていました。2024/07/31
tomi
30
著者の訃報を聞いて。富良野の観光名所「富田ファーム」のオーナーによるラベンダー尽くしの本。富良野のラベンダー栽培の歴史、ラベンダーに出会ったいきさつ、海外の栽培地の訪問記から栽培方法まで。美しい写真も盛り沢山です。 輸入自由化の波などで採算が合わなくなり、やむなく畑を潰そうとするが思いとどまる。その直後に美しい景色が注目され始める。一瞬の判断が著者のその後の人生も富良野の今も変えたのだと思うと感慨深い。2015/07/12
おせきはん
7
北海道空知郡中富良野町のファーム富田の創業者が、富良野でのラベンダー栽培の歴史や南仏プロヴァンス、イギリス、タスマニア訪問記を通じてラベンダーの魅力を語っています。もともと化粧品香料のオイル生産用に栽培されていたラベンダーは、合成香料の技術進歩や安価な輸入香料により採算が合わなくなり、栽培断念の危機に追い込まれますが、ラベンダー畑の写真が国鉄カレンダーに掲載されたのを機に花人の集う場へと変わりました。サシェ(匂い袋)の作り方を教えた女性の存在も大きいですね。著者が魅力を語る香りを現地で楽しんでみたいです。2016/05/06
霜月什緑
2
富田ファームへ行ってラベンダーの香りを嗅ぎたいと強く強く思います。アロマオイルやポプリでも無くて咲き誇るラベンダーの花から、直接。2013/07/28