内容説明
たとえば、物語の中で少女が食べる「甘パン」。あるいは、殺し屋が飲む一杯の「珈琲」。小説、エッセイ、日記…と、作品に登場する様々な「食」を、二人の作家はあらゆる角度から食べ、味わい、読み尽くす。その言葉が届くとき、あなたの読書体験は、眼前の本の味は、まったく新しいものに変わる。読むことで味を知る、味を知ることで読みたくなる。すべての本好きに贈る、極上の散文集。
目次
向田邦子の、ふつうのごはん革命 向田邦子『父の詫び状』
うまい、まづいは別として、うまい 内田百〓『御馳走帖』
味を語る怪物―。執念か、と思うほどの凄絶な味覚描写 開高健『最後の晩餐』
今日はゆかりご飯 青山光二「妻恋いの宿」
台所が欲しい―。生きることが生み出す矛盾 檀一雄『火宅の人』
ショウガパンとジンジャーブレッド ランダル・ジャレル『はしれ!ショウガパンうさぎ』
気品に満ちて野蛮。真剣に、豪快に、食と向き合う女たち 江國香織「ねぎを刻む」
ミルクのはいったおまんじゅう 寺田寅彦「銀座アルプス」
食べることは、こんなにも愉快なこと! 鴨居羊子『カモイクッキング』
ストロベリー・クリーム・ソーダ ソーントン・ワイルダー『わが町』〔ほか〕
著者等紹介
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964(昭和39)年、岐阜県生れ。’99(平成11)年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で芥川賞、’03年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、’04年同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞、’06年『河岸忘日抄』、’10年『正弦曲線』で読売文学賞、’16年『その姿の消し方』で野間文芸賞、ほか受賞多数
角田光代[カクタミツヨ]
1967(昭和42)年神奈川県生れ。’90(平成2)年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、’05年『対岸の彼女』で直木賞、’07年『八日目の〓』で中央公論文芸賞、’11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、’12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、’14年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
ユメ
Shun
瀧ながれ
小太郎