新潮文庫
義経

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  • サイズ 文庫判/ページ数 279p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101293189
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

源氏と平氏と朝廷の確執に煽られて、一ノ谷から屋島、壇ノ浦、平泉へ。自らがやがて伝説と化すことも知らぬままに戦を重ねて、短い人生を駆け抜けた義経。生涯の全ての勝利が、非業の死を彩る虚しい供物にしかならなかった逆説ゆえに愛され、時を超えて絢爛たる光芒を放つ稀代のヒーローと、彼を慕った女たちの人生の流転を、哀感を滲ませた華麗な筆致で描き尽くす宮尾歴史文学の白眉。

著者等紹介

宮尾登美子[ミヤオトミコ]
1926(大正15)年、高知市生れ。17歳で結婚、夫と共に満州へ渡り、敗戦。九死に一生の辛苦を経て’46(昭和21)年帰郷。県社会福祉協議会に勤めながら執筆した’62年の「連」で女流新人賞。上京後、九年余を費し’72年に上梓した「櫂」が太宰治賞、’78年の『一絃の琴』により直木賞受賞。他の作品に『序の舞』(’82年刊、吉川英治文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

25
2005年大河ドラマ『義経』の原作本。小説自体は語り部が義経の生涯をたんたんと語っているようであり、まるで年末の大河ドラマの総集編のようで味気ない。また世にある義経本の視点とまったく変わっておらず、宮尾登美子らしい視点の義経像を期待していたのだが残念・・・。ところで、どうして日本人は義経がこんなにも大好きなのだろうか。幼き頃の不幸な境遇、源平合戦での英雄的な活躍、都での栄誉と浮名、そして兄弟確執による悲劇的な最後。そのどれもがすべてドラマになるからであろうか。たしかにこれだけ絵になる男は他にいない。2015/06/12

ヘタ

21
登場人物多い。知ってて当然なくらい有名なんでしょうね、いろんな地名がポンポン出てくる。頼朝スターリン、奥州メキシコの義経トロツキー。いつか再挑戦します。2018/09/08

S.Mori

10
非常に良い本でした。英雄としてではなく、一人の人間としての義経に焦点が当てられています。父親の愛情に飢えていたので、母の元に通ってきた平清盛を慕っていたという記述などを読むと、善悪で単純に割り切れない歴史と人間の営みが身近なものとして感じられるようになります。短いながら女性や一般の人々のことも丁寧に描かれており、歴史は一握りの権力者だけが動かすものではないことが実感できるところが良かったです。例えば、静御前が捕えられた頼朝の前で、義経を慕う舞を舞う場面では、彼女の凛とした美しさが過不足なく描かれています。2019/08/27

よーだ (Yoda)

8
今日から始まる大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」。予習本として著書をチョイス。物語でなく著者自身が語り部となり義経の生涯を語る。これがまた良い。男性視点とは異なる女性視点での義経像と義経を取り巻く女性の振る舞いや心理が語られ、子供の頃に読んで心に刻まれた牛若丸ー義経の記憶が思い起こされてくる。英雄と悲哀その両面を持つ悲劇のヒーロー。それは弱者への同情感情の判官贔屓となり日本各地に義経伝説を生む事となる。大河ドラマ「義経」の原作本。これを読めば義経がサクッと分かる入門書。歴史初心者にも優しい本です。(☆☆☆☆☆)2022/01/09

ダージリン

8
源平の合戦の時代は元々好きなのだが、女流作家の柔らかい語り口で描かれる義経像は新鮮に映った。一ノ谷、屋島、壇ノ浦であれだけの活躍をしながらも頼朝に疎まれる悲劇は何ともやるせない。それにしても、執拗なまでに義経を追い詰めた頼朝は何を思っていたのだろう。義経以外の兄弟に対しても嫌疑を掛け、命を奪ったと聞くと、頼朝の異常さが恐ろしくなる。2017/03/28

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