新潮文庫<br> この世をば〈下〉

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新潮文庫
この世をば〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 473p
  • 商品コード 9784101292076
  • NDC分類 913.6

内容説明

30歳で一躍トップの座に踊り出た道長は、兄道隆の子伊周の排撃にも成功した。そして娘の彰子を一条帝に入内させ、やがて待望の男子が生まれる。かくて一手に権力を握った道長は、抜群の平衡感覚で時代を乗り切り、“望月の世”を謳歌する―。“権力の権化”という従来のイメージではない、人間味溢れる平凡な男としての藤原道長を描き出し、平安貴族社会を見事に活写する歴史長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NADIA

64
平安時代最高の貴族として語られることの多い藤原道長は、卓越した才能を持っていたり、傑出した判断力を駆使したりするような人物ではなく、周囲の七光りで何となく地位を得た小心者、と言ったところか。強運の持ち主であるとはいえるけど、怜悧な切れ者ではなかったようだ。大河ドラマの道長よりも親しみが感じられるかな。2024/08/14

けやき

64
幸運なる平凡児・道長の後半生。「この世をば…」の歌を歌った時の状況もよく分かった。道長が死ぬ頃には平安の世も大きく動こうとしていたのもよく分かった。2024/01/17

ねむねむあくび♪

61
図書館の本。この本を読むまでの藤原道長のイメージは、豪腕腹黒な政治家だったが、永井さんの道長は、幸運な平凡児が、成長と共に、巧みなバランス感覚で帝を支え政治をまとめ栄華を極めていくものだった。感想を書きながら、いつの間にか、藤原道長のイメージが徳川家康と重なるようになった私です。面白かった!!2015/09/13

kei302

52
紫式部ほんのちょっとだけ登場。やっぱり道長の庇護下にあったんだ! なるほど、貴重な紙に超長編作品を書くには権力者の協力がないとねえ…。ちょうどドラマでやってる“歳の離れた”相手との恋愛に夢中でと永井先生もおっしゃってます。調子に乗ってる平凡児道長、平安時代は毒殺とか暗殺とかいう物騒な手段を使わず、娘の嫁ぎ先次第で権力の座につけるかどうかが決まってしまうとか、病気を治す最終手段が仏門に入るとか、いろいろ面白かった。2024/06/19

ちゃいろ子

51
とても面白く且つ恐ろしい話だった。 貴族たちの駆け引き。いかに美しい娘たちを上手く使うか。 武士たちのように大っぴらに殺し合いはしなくても影で繰り広げられる足の引っ張り合いは恐ろしい。そして駆け引きに勝利し栄光を手に入れても、今度は 呪詛により病にかかる。 実は呪詛が原因などではなくても心の奥に負い目があるから。 この時代の人を笑うことはできないのではないか。人の身体と心は切り離せない。 心のもちよう気の迷い。 これは時代の頂点に立った男にとっても打破できない人という生き物の性のようですね。2022/06/21

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