内容説明
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
著者等紹介
米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978(昭和53)年岐阜県生れ。2001(平成13)年、『氷菓』で角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。’11年、『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞を受賞。’14年『満願』で山本周五郎賞を受賞。同作は、「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」の国内部門ランキングにて1位に輝き、史上初の三冠を達成する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
1138
短編ミステリー小説。読メランキングに入っており気になり購入。どの話もよく出来ていてドラマ等で映像化出来そうなぐらい面白かったです。私の頭では少なくとも先が読めない展開だったので、まさに主人公がオチに気づく瞬間に私もオチに気づく感じで、主人公と一緒に衝撃を受けながら、読む手が止まらなくなりました。しかし、死人宿と表題の満願がいまいち理解出来なかったのでもう1回読みます!2017/10/29
カメ吉
1021
さすが米澤穂信!って作品でした。短編集ですがどれも素晴らしかったです。短い話の中にもちゃんと物語が出来ていて長編なみの読み応えばかりでした。『古典部』や『小市民』の様な青春ミステリーからこの様な短編集まで本当に米澤氏はすごい作家さんでした。 今度は『小市民』の新作を出して欲しい。2017/08/15
ehirano1
937
なんか面白いなと思ったら、「ボトルネック」でお世話になった米澤穂信の作品出ることに途中で気付きバイアスが入りましたwww。え~ここで終わるんかいっ!ってのがあったり、脱力するのがあったり、呻らされたりと玉石混合でした。中でも「万灯」は緊張感だけでなく裏の裏が実は斜め上という感でお気に入りとなりました。願わくば長編でお願いしたいところです。2022/12/17
bunmei
777
文庫化されたのでザーッと再読。『満願』とは、願いを叶えるために日数を決めて、仏に祈願したり、修行したりする日が満ちること。今回の作品は、6つの奇妙な事件に巻き込まれた、それぞれの登場人物の思いや願いに焦点を当てています。日常に潜む陰や謎をどれも入念に磨き挙げた、極上のミステリー短編集です。中でもお気に入りは、離婚調停で揺れる姉妹を描く『柘榴』と題名となり、殺人の本当の動機に迫る『満願』かな・・・。2017/09/26
chinayo
676
短編集。短編は、話に深みがないのであまり好きではなかったが、この本は違った。どれも違ったテーマで、読者を飽きさせない。素晴らしい。2018/02/18
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