内容説明
「人類による文字以来の革命的発明」とも言われる「コンピュータ検索」。アメリカの2人の学生が興したベンチャー企業は、10年を経て今最も注目される巨大企業となった。私たちの暮らしは、もはや「検索」抜きでは考えられない。世界で1日10億回、世界中のネットユーザーが、1日1回はグーグルの検索ボタンを押している。徹底した取材を基に、進化し続ける世界屈指の頭脳集団に迫った話題作。
目次
プロローグ 「検索」がもたらすもの
1 天才集団の牙城 初めて明かされるその内部
2 “広告革命”―世界で何が起きているのか
3 既存のメディアを揺さぶるグーグル
4 誰が検索順位を決めるのか
5 グーグルにすべてを委ねるのか
6 膨張する巨大IT企業の行方
7 人類のライフスタイルとグーグル
エピローグ 「退化」する私たちの未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
18
『探検家の日々本本』に出てきて、興味を惹かれて、手に取りました。NHKスペシャルで放送されたのは2007年1月、単行本として刊行されたのは2007年4月、そして、この文庫の刊行が2009年です。グーグルの誕生のきっかけとなったのが<あるホームページにはどんなリンクが張られているのか、世界中のすべてのページで明らかにしようという試み>という博士号のプロジェクトに取り組んでいたとき<偶然より良い検索技術を見つけたんです(続く2019/08/06
猫丸
15
文庫版は2009年刊。その時いちど読んで、広告業界も大変だねえ、と思った。1996年からPCを利用し始めたのだが、以来ずっと古典的ワードプロセッサの役割にとどまっている。プログラミングの授業もあったけれど、とくに数値計算を必要とする分野ではなかったため身についていない。twitterには近寄らず、LINE は登録しつつも家族以外はほとんどブロック状態。読書メーターに登録した2018年までweb世界との交渉は無いに等しかった。どうも無意識的に自身のデータを天下往来に投げ出すのを恐れていたフシがある。2020/07/20
佐島楓
10
「知識が爆発的に増えた時代、人類はかえって知を有効に使えないジレンマに陥っているのではないか」という一文が印象的だった。2011/12/12
kubottar
8
グーグル関連本は何冊か読んだがこれはその中でも頭一つ飛び抜けてるイメージ、やはりNHKスペシャルは伊達ではない。さて内容というと、グーグルという会社の先見性、革新性はいうまでもないがその理念は「インデックスフラット化」地球の情報全てを小さなiPod状のモノに収める事を考えてるというから驚きだ。しかしグーグル賛美だけではなく、危険性もこの本は示唆している。グーグル・ロボット化した人類が間違った方向に進んだとしたら、出来の悪いSF小説のような展開を想像もする。私としては本がいらない未来になったら寂しい。2011/08/09
FFFT
6
グーグルを作り上げたのはどんな人たちだったのかイメージがつかみやすい本ではないかと思いました。本当にすごい人たちばかりですね…!発行されてから数年経過していますが面白く読めました。すべての情報を司る、世界を変える…スケールが段違いだ。情報の扱いについて深く考えさせる内容でもありました。グーグルニュースは3.11の同時多発テロがあった際に、複数の情報ソースを見る必要があるという発想から開発されたそうですね。情報に対するリテラシー、集めた情報をうまく統合し自分で進む方向をつくる力など、これからの世では必要だと2012/01/24