出版社内容情報
幼なじみの恋人から打ち明けられた秘密。それは僕に逃げられない「覚悟」を迫った――。極上のラブストーリー×感涙の医療小説！
「私は0.0001％の運命を背負って生きているの」――。幼なじみの恋人が打ち明けた秘密。現代の医学では、不治とされる病。その可能性を持つ彼女の発症率は……。難病の恐怖に震えるミサキ、彼女への恋に揺れる僕。でもでも、それでも君でなければダメなんだ！ 極上のラブストーリー×医療小説の快作。浅田次郎氏が選んだ「第二回新潮エンターテインメント大賞」受賞作品！
内容説明
「私は０．０００１％の運命を背負って生きているの」。幼なじみの恋人が打ち明けた秘密。現代の医学では、不治とされる病。その可能性を持つ彼女の発症率は…。難病の恐怖に震えるミサキ、彼女への恋に揺れる僕。でもでも、それでも君でなければダメなんだ！極上のラブストーリー×医療小説の快作。浅田次郎氏が選んだ「第二回新潮エンターテインメント大賞」受賞作品、待望の文庫化。
著者等紹介
榊邦彦［サカキクニヒコ］
１９６３（昭和３８）年、埼玉県生れ。２００６（平成１８）年、『１００万分の１の恋人』で新潮エンターテインメント大賞を受賞しデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
98
ハンチントン病をご存知ですか？日本人には100万分の１の確率である遺伝性の病気。舞踏病とも言われる。僕は、前職で患者の方がお見えで、総務・人事が近い部署だったので、克明に彼の症状の悪化や医者の見解やそもそもの内容を知り得ておりました。業病という言葉が作中使われているが、ホント、筆舌では表せぬ病気です。自殺率の話も出てきますが、安易に記せないですが、それも理解出来てしまう…。正直、綺麗に描かれているなと思いましたが、こうした病気が不治として存在して、共に悩める作品であることは相違なく、素直に称賛致します。2017/08/20
おかむー
59
恋愛モノとしてチョイスした作品だったけれど、ベースとして恋愛から外れないながらも同時に医療がテーマとして並行に描かれる。『よくできました』。主人公ケンは大学で再会した彼女ミサキと結婚を思い描いたそのとき知らされる彼女の難病の可能性、その病気の現実を知り、ミサキへの想いを確かめながらも伴に生きる未来への不安に揺れるケン。あくまで理性的な主人公ケンの視点のため、苦悩する様子もあくまで論理的なこともあってエンターテインメントとての起伏は少なめなのが玉に瑕ではあるけれど、難病への啓蒙としてはこれが適正かもしれない2014/08/24
hnzwd
36
遺伝病の可能性がある彼女に、それを告白されたら、、どうするか。彼女が既にその状況を受け入れてるに近い状況なので、主人公の葛藤もそれほど深くはなく、話や会話は表面的な部分までしか描かれていない気がします。しかし、直接的に書かないことで、言うことのできない台詞や言葉にならない漠然とした不安を感じとることができ、ストーリーに引き込まれました。病気と戦い、運命を受け入れていく話ではなく、二人が寄り添って一緒に歩いていく選択をするまでの話として読み、考えさせられました。2013/11/13
ピース
26
父が遺伝性の難病…遺伝を受け継いでいれば必ず病気を発症する。アットリスクであるミサキは、父の姿が将来の自分と重なり、不安・恐れを抱き続ける。彼女と結婚を考えるケンは事実を知った時、彼女と結婚するという事は何を意味するのか？考え悩む。遺伝性＝自分達の子どもにも遺伝するかもしれない… 自分は彼女・子どもへの責任を…病を共に背負う事が出来るのか？綺麗事ではない答えを出す人もいるだろう…私はそれが間違いだとは言えない。人の幸せとは何なのか？生きるという事はどういう事なのか？それぞれの考えが答えになるんだと思う。2016/07/05
なも
25
日本国内において100万分の1の確率で罹患する難病、ハンチントン病。父親がハンチントン病患者で、遺伝病故に自分も発症する可能性がある、と結婚を考えていた彼女に告げられた主人公の取る決断とは。恋愛と医療を上手に展開させた結果、綺麗にまとめすぎて面白みに欠けた。最後の決断も小説ならまぁそうだろうなって感じ。だって見捨てらんないじゃん。医療についてならノンフィクション読んだ方がいいし、泣きたいなら別の物読んだ方がいいと私は思った。2015/03/08
