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新潮文庫
東洋の至宝を世界に売った美術商―ハウス・オブ・ヤマナカ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 456p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101278919
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0170

出版社内容情報

十九世紀、欧米の大富豪と超一級の美術品を取引した山中商会は、なぜ歴史の表舞台から姿を消したのか。近代美術史最大の謎に迫る。

東洋の国宝級名品を欧米で大量に売却した伝説の美術商――山中商会(ハウス・オブ・ヤマナカ)。19世紀末のニューヨーク進出を機に世界中に顧客を持つまでに成長。ロックフェラーや英国王室ら大富豪に愛され「世界の山中」と称されるようになった。が、今やその名を知る者は少ない。なぜ山中商会は姿を消したのか。近代美術史最大の謎に迫る。『ハウス・オブ・ヤマナカー東洋の至宝を欧米に売った美術商―』改題。

内容説明

東洋の国宝級名品を欧米で大量に売却した伝説の美術商―山中商会19世紀末のニューヨーク進出を機に世界中に顧客を持つまでに成長。ロックフェラーや英国王室ら大富豪に愛され「世界の山中」とまで称されるようになった。が、今やその名を知る者は少ない。なぜ山中商会は姿を消したのか。近代美術史最大の謎に迫る。

目次

琳派屏風の謎
第1部 古美術商、大阪から世界へ(「世界の山中」はなぜ消えたか;アメリカの美術ブームと日本美術品;ニューヨーク進出;ニューヨークからボストンへ)
第2部 「世界の山中」の繁栄(ロンドン支店開設へ;フリーアと美術商たち;日本美術から中国美術へ;ロックフェラー家と五番街進出;華やかな二〇年代、そして世界恐慌へ;戦争直前の文化外交と定次郎の死)
第3部 山中商会の「解体」(関税法違反捜査とロンドン支店の閉鎖;日米開戦直前の決定;開戦、財務省ライセンス下の営業;敵国資産管理人局による清算作業;閉店と最後の競売;第二次世界大戦後の山中商会)

著者等紹介

朽木ゆり子[クチキユリコ]
東京都生れ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。同大学院行政学修士課程修了。コロンビア大学大学院政治学科博士課程に学ぶ。1987(昭和62)年から’92(平成4)年まで「日本版エスクァイア」誌副編集長。’94年よりニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

52
再読。かつて読んだ時点は私らの年代によくある「欧米視点」が強く、さらっとした感想だった。ここ一年、東欧、ベネルクス、北欧でのWW2の視点、空気感を僅かながら知ることで当時の日本の立ち位置が異なって見えた。朽木氏の文章は事実を明確に記し、意見を挟みつつ論点が明快、いつもながら読みやすく面白い。19末から20C WW2に至る骨董商~美術商 山中商会の幾世代にも渡った動きが綴られる。200年にわたった山中の7代目がニューヨーク5番街に支店を置いたのは明治初期。以降 長きに渡る米との蜜月?が戦争が全てを塗り替え、2023/06/08

バームクーヘン

7
19世紀末にアメリカに渡り、東洋の美術(日本・中国)をアメリカの美術館・大富豪のコレクターに売り、NY五番街に豪華な店を出し、財を成した山中商店。しかし第二次世界大戦でアメリカ政府に財産を接収されて全てを失う。その過程を探し出した資料を元に細かく追う。明治初頭に先見の明を持ち果敢にもアメリカに渡り、アメリカで東洋美術が浸透する役割を果たした事は事実であろう。しかしその反面、国宝級の美術品が日本から流失してしまったという大損失は日本美術ファンとしては残念でならない。山中商店の光と影、複雑な思いで本を閉じた。2021/01/17

yyhhyy

4
戦前に一代で日本美術を売りまくった山中商会の取引記録をまとめたもの。どうやってビジネスを広げたのかまでは正直わからなかったが、終戦時に資産を没収されて事業継続できなかったのであろう、というのは気の毒な話である。2023/11/03

きっしょう

4
山中商会に関しては全く知識が無かった。欧米にある日本の貴重な美術品は黒船以降海外に持ち出されたり、太平洋戦争敗戦によって接収されたものが多くを占めるのでは?と勝手に思い込んでいた。なるほど19世紀に時代を見越して海外に美術品を売り込んでいた会社があるとは驚いた。山中商会の栄枯盛衰には大変興味が湧くし、資料を丹念に解析した著者の仕事には感服するものの資料を読まされてるような感覚になってしまい山中商会の人たちの心情をもう少し描いて欲しかった。ただ、古い話で生き証人がいないのだからそこまで求めるのも酷な話か。2013/10/27

月曜は嫌い

3
海外にはすぐれた日本の美術作品がたくさんある。美術商の活動を通してその事情の一端をうかがうことができる。美術品の流出という面の一方で、美術展も一般的ではなかった時代に果たした啓蒙的役割の重要性にも触れている。戦時中の在米日本企業の解体過程も丹念に追っていて、大変な労作。ただ、ノンフィクション作品としてみると、読ませどころや魅力的な人物のエピソードなどがほとんどなく、外連味がないのを通りこして少々つらい。2017/03/22

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