新潮文庫
軍艦武藏〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 691p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101277721
  • NDC分類 391.27
  • Cコード C0195

内容説明

日本の生命線フィリピンを保持するための、成算なき大博打―その名を「捷一号作戦」といった。運命の海戦の火蓋が切られる。爆弾・魚雷を一身に受け、武藏は満身創痍に。だが乗組員の尽力により、驚異的に浮かび続けた。巨大戦艦の沈没、そして、そこから始まる、幾通りもの数奇な運命。波瀾の時代に生を受けてしまった青年たちの真実を描き、絶賛を浴びた、不朽の人間ドラマ。

目次

主砲発射
死闘の海
第一艦橋全滅
艦隊反転
総員集合
沈没
漂流
コレヒドール
さんとす丸
内地へ
濱風と清霜
海上特攻
飢餓戦線
終戦
戦後点描
エピローグ―運について

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tsuyoshi1_48

7
「不沈」を謳われた世界最大の戦艦「武蔵」に関わった人々の物語。形容する言葉が容易に見つからない。これほどの作品を編むのにどれだけのエネルギーを要したか、凄まじい労作です。数多の戦記を読んできましたが、それでもシブヤン海の対空戦闘の件はページを繰るのが難しいほどの圧迫感を感じました。武蔵に関わる以前と、沈没以後、そのドラマを描き切るにのには1200ページの紙幅が必要だったのでしょう。大作ですが、散漫な個所は一切ありません。2010/07/04

鐵太郎

6
作者は、武蔵の映画を作ったのだそうです。10ヶ月かかって撮影されたフィルムを元に、ドキュメント映画「軍艦武蔵」は平成3年に完成しました。さらに出版社の提案を受けて、これを本とすることにしたのだそうな。平成4年に取材を始め、執筆は平成11年8月から。執筆に当たって監修をお願いした人や取材した人が何人も鬼籍に入ったりして、上梓は平成14年9月。長い旅路であったとか。このような記録を残せるのは、今後はもう無理かも知れません。こんな歴史でも、歴史は残さなければ生けません。ぎりぎりの時間に、よく間に合いましたね。2009/10/11

K2

5
大作なので、少しずつ読んだ。戦闘中の詳細な描写は、丹念に聞き集めたものなので、真に迫ってくる。戦争は悲惨で絶対にいけないことだと再確認した。読んでいる最中に、武蔵が沈没したところで発見されたというニュースがあって興味が増した。戦後70年の年でもあり、戦争をしない日本にしていくためにも戦争をよく知ることが大事だと改めて感じた。兵器はこのころよりさらに進歩して、さらに非情に人を殺せるようになっているので、今戦争をしたらさらに悲惨なことになるに違いない。2015/04/08

くわたろ

5
巨大戦艦「武蔵」と、その武蔵を看取ったともいえる駆逐艦「濱風」「清霜」乗組員の証言から構成された良質のドキュメント。普通の戦艦なら2回3回沈んでもおかしくないくらいの雷撃爆撃でなぶり殺しのように沈められた武蔵だけど、実は濱風清霜によって半数以上の乗員が救助されている(大和は一割)。本当に悲惨なのは武蔵沈没後、フィリピンに残置された乗員。小部隊に分散させられほとんどが戦死した。なお濱風はその後、金剛や信濃の沈没時にもその護衛についていて乗員救助に功があったことも本書に記されている。隠れた殊勲艦。2009/11/18

p-man

4
丹念に取材され、克明に武蔵を描いています。沈没した後の船員のその後まで書かれているのには驚きました。まさに大作ですね。2011/09/14

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