新潮文庫
亜米利加ニモ負ケズ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101276823
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

多言語的な視点で眺めれば、言葉も、世界もこんなに面白い。日本語で詩を書くアメリカ人による知的エッセイ集。

日本語を愛するアメリカ人、アーサー氏。その多言語的な視点で眺めれば、世界の新鮮な姿が浮かび上がる。賢治の「雨ニモ負ケズ」の元ネタを発見!? “アメリカン”なラーメンの正体とは。一番好きな日本語はあのセリフ。詩のみならず、短歌や能、落語などに深く精通し、母国の暴走と日本の迷走を心配する……。溢れ出す知識とピリ辛のユーモアが好奇心を刺激する、贅沢なエッセイ集。

内容説明

日本語を愛するアメリカ人、アーサー氏。その多言語的な視点で眺めれば、世界の新鮮な姿が浮かび上がる。賢治の「雨ニモマケズ」の元ネタを発見!?“アメリカン”なラーメンの正体とは。一番好きな日本語はあのセリフ。詩のみならず、短歌や能、落語などに深く精通し、母国の暴走と日本の迷走を心配する…。溢れ出す知識とピリ辛のユーモアが好奇心を刺激する、贅沢なエッセイ集。

目次

1 アメリカにないアメリカン(どんぐりの旅;アメリカにないアメリカン ほか)
2 泥にはまって(祖父がいた日本;歩行の初歩 ほか)
3 粗茶ですが(みんなで歩けば;ソバガキソング ほか)
4 わらしべ流(歌の内蔵型自動PR装置;新旧を問う ほか)

著者等紹介

ビナード,アーサー[ビナード,アーサー] [Binard,Arthur]
1967年、米国ミシガン州生れ。コルゲート大学で英米文学を学び、来日と同時に日本語で詩作をはじめる。2001年、詩集『釣り上げては』で中原中也賞、’05年に『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞、’07年には『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』で日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

259
あなたは、ドングリの実をすっぽりと包んでいる、あのお椀型の部分を何と言うか知っていますか?―「殻斗」(かくと)と言います。じゃあ、不如帰、時鳥、杜鵑、沓手鳥、霍公鳥はどうですか?最初の2つは読めますね。でも、後のはほとんど見るのもこれが初めて―これらは和歌も俳句もたしなむ(ついでに謡曲そのほかも)ビナードさんの『亜米利加ニモ負ケズ』から拾ったもの。本書は何も日本語の薀蓄を語ったものではありません。詩を愛し、方言を愛し、そして何よりも人を愛するビナードさんの温かい言葉の数々に溢れるエッセイ集です。2015/06/26

さきん

20
アメリカに対する批判が手厳しい。日本を愛していて日本の先行きを心配しているが、その考察も素晴らしい。日本語と英語双方の知識とこれらを上手く関連付ける教養がすごいと思った。2017/03/19

yumiko

15
お気に入りのアーサー・ビナードのエッセイ。まるで今の季節の若葉のように、柔らかく瑞々しい感性と生き生きと伸びゆき広がる好奇心。日本語に英語、詩歌に古典、ことわざや格言、先人の教え、広い世界を自由自在に行き来する知性にはいつも驚かされ、新しい見地の目を開かされる。とりわけ素晴らしいと思うのが、下嶋哲朗さんが解説に書かれているような「惚れた対象をユーモアをもって客観視する」姿勢。大好きだからこその批判や苦言、愛あるからこその言葉に、私達はもっと耳を傾けていい。2014/04/29

Shoko

14
ドングリの話から始まり、その怒涛の知識に驚く。殻斗、堅果に始まり、ドングリの種類に至るまで、すごいんですけど・・思わず、笑ってしまった。 外国の方だから、外側からの視点で見る日本語の美しさや面白さを感じるという面もあるとは思うが、それにも増して、やはり著者の鋭い感性で理解する日本語が、日本人の私に色んなことを教えてくれた。 含蓄ある言葉の数々、知らない単語もいっぱい! 以下、メモ。ラムネはレモネードが語源。夏の季語。碍子、「階段の機知」。2016/03/17

ジョン・太郎

10
日本語と英語の話題にとどまらず、旅行、政治など内容が豊富でとても面白いエッセイ集。著者が普段からあらゆるものを注意深く見て考察している姿勢が伺える。興味深かったのは、宮沢賢治の雨ニモ負ケズがアメリカの郵便局のスローガンに似ていることから、そのもとになった古代ギリシャのヘロドトスの文章に触発されたのでは、と考察していたところ。著者の丁寧な日本語の文章がたいへん読みやすく、自分の文章が恥ずかしくなってしまう(^_^;2014/04/26

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