内容説明
「刻苦勉励、切磋琢磨、率先垂範」がモットーの典型的な日本企業、吉平重機では「わが社本位主義」の軋みから「社内犯罪」が頻発していた。自らの出世の妨げとなる危機的局面において、骨の髄まで企業論理に染まった管理職たちは、いかに機略を巡らし危機を回避するのか?いかにもありそな彼らの滑稽な奮闘振りを、ミステリーの薬味をきかせて描く痛快カイシャイン小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RED FOX
10
高度経済成長後半なのでしょうか、典型的な日本型経営な会社で起こるエグーイ経営判断と、それに思わぬ形で抵抗する労働者の顛末が面白い。2015/04/26
massan19
0
バブルの頃の作品。2012年頃読了。色々な社内犯罪を面白おかしく描かれている。なかなか小気味良い。
つるりん
0
ずいぶん前の小説だけど、日本のカイシャの体質はあんまり変わってない気が。「円高不況を乗りきるために」は後味良。2013/05/05
西澤 隆
0
僕は実はこの小説にはかつての「牧歌的な日本」を感じてしまう。下請けが元請け担当に「怪我をさせられる」ヤラセで値引き幅を圧縮するエピソードなどは、海外メーカーの部品を普通に使い、下手すれば元請け自体が海外に出て行ってしまう現在では、逆に「あの頃はよかったなぁ」とさえ思う人がいるかもしれない。良くも悪くも系列ががっちりかたまり、なんとかそこに企業城下町が構成されていた時代は、ある意味、遠い日の花火なのかもしれないですね。そういう意味ではもっとキツい現代を戦っている日本のサラリーマンがんばれ!と思います。2012/08/06
ゆん
0
日本企業で起こる社内の事件あれこれをミステリー仕立てに。ずいぶん昔の本なので世の中は進歩してますが人間は変わらないですね。2012/06/01