内容説明
恋人はいる。仕事も順調だ。でも、僕には心残りがあった。「さすらい」というものをしていない―。ある朝、辞表を出すことを決め、部屋を引き払い恋人と別れ、ギアをひと蹴り。リア・フェンダーにはテント。縫うように這うように、日本中の道を行こう。温泉に浸かり、人と出会い、過去と未来に思いを馳せながら…。『上海の西、デリーの東』で鮮烈なデビューを飾った著者の、旅の原点。
目次
旅以前
自由
海沿いの道
日記
魔法の道具
居心地のいい場所
持ち物について
食べ物について
日記
高速道路の愉しみ〔ほか〕
著者等紹介
素樹文生[モトギフミオ]
ニューヨーク生れ。広告代理店、出版社勤務を経て1995(平成7)年『上海の西、デリーの東』(新潮文庫に収録)でデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ann
15
併読本が何冊もあるのに、いつも急に読みたくなる。素樹さんの最初で最後のサイン会行ったなー。(イケナイ宝箱)友人として来ていた国井律子さんにもサインいただいたなー。とか思い出しながら読む。この中の「雨と本」というエッセイが好きすぎて、中上健次読むようになった。素樹さん、筆を折ってそろそろ10年だけど、復活しないかな。2015/06/12
Masa.H
11
キャンプしながら読んで焚き火にくべるのが一番良い本書との付き合い方。 オートバイでの旅を通じて自身の思いを語る本。旅の心情は描かれているが、情景は描かれてない。観光ガイドやツーリングのハウツー本からは限りなく遠い。それ故に、この著者に寄り添えるのであればバイブルであり、理解できなければゴミである。 私は自分が旅していた頃を思い出して懐かしく読むことができた。たぶん、本書とほぼ同時代、私の方が少しだけ古いのだと思う。旅は時代により変わるものなので、この本の旅は、私の若い頃の旅は、今ではもう体験できない。残念2018/04/04
やっちゃん
5
昔は自身もコアなツーリング旅人だったのですごく楽しめた。特に日記が最高。ラッセラーや米原キャンプ場など旅人ならではのキーワードに懐かしさを覚え、若かったな。いい旅だったなと当時を思い出す。SNSで自分の好きなものに囲まれてる閉鎖的な若者には、旅に出ていろんな価値観に出会って未知の新しいものを好きになる体験をして欲しいと思う。2021/06/04
Taichi Sakamoto
2
この本のなかに書かれているたき火するシーン。マネしたくなる。2015/09/21
別所 吠二郎
2
ボクとはバイクとの付き合い方がちょっと違っていると感じた。主人公の「僕」はとてもハイソだかキャンプなどをしてみました、そのときの感想です。みたいな感じで親近感、共感の持てる事が少なかったし、何も伝わらなかった。2011/03/22