出版社内容情報
激動の幕末を疾風のように駆け抜けた高杉晋作。日本の未来を見据え、内外の敵を圧倒した男の短くも激しい生涯を描く歴史長編。
長州藩士・高杉晋作。本名・春風。攘夷か開国か。国論二分する幕末に、上海に渡った晋作は、欧米列強に蹂躙される民衆の姿を目の当りにし、「革命」に思い至る。激しい気性ゆえに、脱藩、蟄居、閉門を繰り返しながらも、常に最前線にたち、藩の窮地を救ってきた男は、日本の未来を見据え、ついに幕府に闘いを挑む。己を信じ、激動の時代を一気に駆け抜けた男の二十八年の濃密な生涯を壮大なスケールで描く本格歴史小説。
内容説明
長州藩士・高杉晋作。本名・春風。攘夷か開国か。国論二分する幕末に、上海に渡った晋作は、欧米列強に蹂躙される民衆の姿を目の当りにし、「革命」に思い至る。激しい気性ゆえに脱藩、蟄居、閉門を繰返しながらも常に最前線で藩の窮地を救ってきた男は、日本の未来を見据え遂に幕府に挑む。己を信じ激動の時代を駆け抜けた二十八年の濃密な生涯を壮大なスケールで描く本格歴史小説。
著者等紹介
葉室麟[ハムロリン]
1951(昭和26)年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て2005(平成17)年『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。’07年『銀漢の賦』で松本清張賞を、’12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
300
幕末稀代の英雄高杉晋作の苛烈な生涯を葉室麟が描く。司馬御大の『世に棲む日日』も松陰と晋作を描いた傑作だが、本作は特に晋作のパラダイムシフトの舞台、上海での見聞に多くを割かれており面白い。黒船来航で世間が攘夷に沸騰する中、長らくの鎖国制度で世界情勢に疎いままでは未来が見えぬと上海に行く晋作。この体験は確実に明治維新といういわば日本の偉大な転換期の礎となった。『動けば雷電の如く··』は伊藤博文が残した晋作評として有名だが、本作の『知り難きコト陰の如く、動くコト雷霆の如し』という表現はまさに晋作そのもの‼️🙇2019/11/21
小説を最初に書いた人にありがとう
112
本当に幕末を駆け抜けた印象の高杉晋作。若干27歳の生涯とは思えない濃密で意義のある人生。この男が居なければもしかしたら日本は外国の植民地になっていたかも知れないと思わせる。幕末の志士の中で好きだったが本作を読み思いは強くなった。現代に生きる自分が外国人とろくに話せないのに、あの時代に互角以上に交渉する姿に驚愕と感動。おもしろきこともなき世をおもしろく。いい言葉だ。2016/01/31
chantal(シャンタール)
74
27歳8ヶ月、高杉晋作が駆け抜けた人生はこの何倍もの時間であったように感じる。何とすごい人生だったのだろう。日々人々の考え方が変わり、気に入らない思想の人を簡単に暗殺していた幕末。あの頃、時勢をしっかり読み、国を守るためにはどうすれば良いかと、本当に日本の事を思い行動した数少ない英傑であった晋作の強い想いは上海への渡航が大きな影響を与えた事は言うまでもない。西欧列強も相当ひどい事を中国でしてるのに、日本を恨むように西洋諸国を恨む中国人はほとんどいない。不思議。何にせよ「我が道」を貫いた晋作はすごいの一言。2018/04/04
巨峰
71
すごく面白くて一気読みした。幕末、高杉晋作を主人公にした歴史小説。快男児という今時流行らない言葉にぴったりな人が、かっての日本にはいたんだな。そして彼を取り巻く女性。雅、うの、美玲、そして野村望東尼との細やかな交流も。歴史小説として史実とフィクションのバランスが非常にいいと思いました。フィクション部分も無理がなくあっても不思議はないと思わせる。むしろそういう場面に出くわしたなら晋作ならそうするだろう。と。2015/10/24
やま
68
幕末の政局を動かした長州(山口県)の天才・高杉晋作について書かれた物語です。黒船が来航し、日本が清国(中国)と同じようにイギリス、フランスなどの欧州列強の植民地となるかと騒がれている時に。徳川幕府の無策を痛烈に批判し、自ら風雲の中に躍り出ていった風雲児が高杉晋作である。→2022/11/23