新潮文庫<br> ヨーロッパ鉄道紀行

新潮文庫
ヨーロッパ鉄道紀行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 220p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101268149
  • NDC分類 293.09
  • Cコード C0126

内容説明

ヨーロッパの超特急を乗り尽くせ!著者率いる日本人観光団は、英仏海峡をユーロスターで渡り、ハンブルクからミュンヘンまではドイツが誇るICE、ユーロシティでイタリア、そしてスペインへと駆け巡る。さらにローカル線を乗り継ぐ夫婦旅、元編集者氏との珍道中など、欧州大陸を縦横無尽に移動し、列車に揺られ車窓から風景を見る楽しみを、ユーモラスに語る紀行エッセイ。

目次

1 高速新線の列車(団体旅行のパリ;ユーロスター―パリ‐ロンドン;ロンドンとハンブルク ほか)
2 地中海岸と南アルプスの列車(タルゴ―マドリード‐バルセロナ;カタラン・タルゴ―バルセロナ‐モンペリエ;マルセイユとニース ほか)
3 東欧と南イタリアの列車(パリの地下鉄;ベルリン行の夜行列車―パリ‐ベルリン;ベルリンの一日 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

129
著者の宮脇氏も冒頭で書いているが、たしかにヨーロッパの鉄道の旅には、「蛇のぎっしりつまった籠を腰掛けの下に置かれたり」といった驚きや困惑はない。旧共産圏の東ヨーロッパには行ったことがないが、少なくても西側のそれは、突然に見舞われるショーペロ(ストライキ)などを除いては、万事に快適である。本書は「高速新線」(TGVなど)、「地中海と南アルプス」、「東欧と南イタリア」の3部からなるが、高速鉄道は面白みに欠けるし、やはりローカルな辺境の地を行くほうが趣きが深いようだ。しきりに旅心を誘われて困る。旅に出たい。2014/05/19

アメヲトコ

8
95年、著者69歳のときの旅行記。ユーモアある文体はなお健在ながら、第1部はツアーの案内役としての旅行で、気を遣って楽しいとは書いてあるものの、本当に著者は楽しめていたのだろうかと思わされます。第2部の奥様との二人旅、第3部の文筆仲間との二人旅になるにしたがって活き活きしてくる感じ。やはり旅の人数は少ないに限り、一人であれば最上というべきでしょう。2017/03/25

churu

5
「齢とともに筆力衰え、思うようにならなかった」と著者自身が書いているが、確かに薄味で尻すぼみな感じは否めない。試しに全盛期の『台湾鉄路千公里』をめくってみたら、適当に開いた部分ですら面白いのだ。この差は何なのか?結局著者の中で汽車にさえ乗っていれば楽しいという時期はとうに過ぎているのだろう。スポンサーがいて乗って書くのが仕事だけど、もはや汽車旅自体が億劫で観光に逃げたがったり。それは齢を重ねた自然な姿だけれども、著者がヨーロッパの鉄道にもはや新鮮な気持ちを感じていない時点で文章の命脈は尽きている気がした。

のぞみ

5
晩年の作の為、ご本人も「齢とともに筆力衰え、思うようにならなかった」とお書きになっているのがファンとしても辛いが(リアルタイムでその「衰え」を目にしていたファンの方々、それ以上に宮脇氏本人が一番辛かったでしょうが)、それでもユーモラス且つ冷めた眼差しや、東大地質学科から西洋史学科に再受験して合格卒業された氏の知識、見識の深さは変わらないし、「同行者の居る旅」におけるネタを引用するのもご愛嬌だろうと思う。でもやっぱり、宮脇氏の筆が一番生き生きするのは一人旅の時なんだなぁ…。2017/05/18

topo

4
英仏海峡をユーロスターで渡ったり、ローカル線に乗るなど旅路は面白いけど、往年の瑞々しい文章が感じられ無かったのは残念。著者晩年の作品だから仕方ないかもしれないけど。とはいえ、列車内や車窓の描写はさすがで眼前に浮かぶよう。2020/02/21

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