新潮文庫
蜃気楼

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101267258
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

富山と東京を往復する薬売りの老人が、舞鶴で遺体となって発見される。取材で富山の魚津に滞在中の浅見光彦は、殺される直前の老人と会った後に行方をくらませた謎の女性を追う。東京のファッション業界の関係者であった彼女も、また命を奪われ、さらに第三の犠牲者が―。蜃気楼の街・魚津から旅立ち、都会で失速した夢のかけらが、光彦の胸を刺す。果てしなき哀感漂う長編ミステリー。

著者等紹介

内田康夫[ウチダヤスオ]
1934(昭和9)年、東京生れ。コピーライター、CM制作会社社長を経て、’80年『死者の木霊』で作家デビュー。’82年からは作家業に専念。名探偵・浅見光彦が登場する数々の作品は、テレビ化・映画化もされ、多くの読者の圧倒的支持を得ている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まり

10
図書館本。今回はスッキリとした終わりで気持ち良かった。売薬さんの話は結構、興味深く、このまま優子が継げたらいいのになぁと思ってしまった。2024/07/20

MOMONATSU

8
浅見光彦シリーズ。気立てのいい薬売りの老人が殺害されるところから物語が始まる。薬売りが持っている懸場帳(取引先情報が子細に記載されたデータベースのようなもの)がカバンごとなくなっていることから商売敵の犯行と思われたが、いくら捜査をしてもそのセンはない感じだ。動機が見えない、犯人像も見えない五里霧中の状態から浅見が根気よく捜査して一つ一つ真相に迫っていく展開。残り100頁を切った辺りで犯人と殺害方法は分かったがそこはご愛敬。旅情ミステリと言う感じで自分も浅見になった気分で読める安定のミステリ小説と思う。2020/04/12

ひよピパパ

3
浅見光彦が富山の売薬の殺人事件を見事に解決してくれる。殺された女性の夢、殺人現場の情景、犯人のもくろんだ望み―そういったものが「蜃気楼」というキーワードで結ばれている。随所に冴える表現があって思わずうっとりした。エピローグに曰く、「雪まじりの季節風に閉ざされたきびしい冬から目覚めて、春の訪れを告げる蜃気楼を見たとき、魚津の人は何を想うのだろう。いつかこの海辺の町を離れて、夢の城を見つける旅に出る-と、幼い日の・・・は思ったのかも知れない。」現地人がそう思えるかはともかくとして、見事な一文だ。2015/11/25

如雨露屋

2
越中富山といえば、富山の薬売りが有名ですが、売薬さんはもうずっと前に消えてしまったお仕事かと思っていました。現在では少し形態を変え、きちんと残っているんですね。大江町には酒呑童子伝説にまつわる「鬼の博物館」や「戦友歌碑」なるものがあるのをこの作品を読んで初めて知りました。蜃気楼に見る夢や幻が儚すぎるほど美しく、そこがまた切なく描かれ、人物の情景が痛みと優しさを伴いながら溢れでたばかりの涙のような温度が胸をよぎります。2015/05/31

急いで突厥

2
読了日よりかなり以前に読んでます。 浅見光彦シリーズ。2003/01/01

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