新潮文庫
つながる脳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 337p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101259819
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0145

出版社内容情報

壁にぶつかった脳科学に、真のブレークスルーはあるか。理研期待の研究者が、社会性を鍵に、脳そして心の核心に迫る刺激的論考。

華やかな「脳」ブームの影で、研究現場は長い停滞期にあった。そもそも脳は単独に観察して評価できるのか。従来の前提を疑った著者は、より社会性の高い環境下での脳の働きに着目する。そして、2頭のサルの序列確認行動を手がかりに、脳の「他者とつながりたい」本質をとらえ、さらにその中核となる心の姿へと迫る――理研期待の研究者が拓く脳科学の新時代。毎日出版文化賞受賞。

内容説明

華やかな「脳」ブームの影で、研究現場は長い停滞期にあった。そもそも脳は単独に観察して評価できるのか。従来の研究前提を疑った著者はより社会性の高い環境下での脳の働きに着目する。そして、2頭のサルの上下関係を手がかりに、脳の「他者とつながりたい」本質をとらえ、更にその中核となる心の姿へと迫る―理研期待の研究者が拓く脳科学の新時代。毎日出版文化賞受賞。

目次

序章 脳と社会と私たち
第1章 脳科学の四つの壁
第2章 二頭のサルで壁に挑む
第3章 壁はきっと壊せる―適応知性の解明に向けて
第4章 仮想空間とヒト
第5章 ブレイン‐マシン・インターフェイス
第6章 つながる脳

著者等紹介

藤井直敬[フジイナオタカ]
1965(昭和40)年広島生れ。東北大学医学部卒業。同大大学院にて博士号取得。’98(平成10)年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)、McGovern Instituteにて研究員。2004年より理化学研究所脳科学総合研究センター象徴概念発達研究チーム副チームリーダー。’08年より同センター適応知性研究チーム・チームリーダー。主要研究テーマは、適応知性および社会的脳機能解明(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyako Hongo

19
脳研究で社会学的なテーマをやりたい。でも困難山積みで世界でも誰も手をつけてない。だからこんな風に考えてこんな風な実験をしました。これからやりたい事はこんな事です。今の最新技術はこんな所で、これを使えばできそうです。世間ではこのテーマがもてはやされていますが、こっちのが断然面白いと思いますーーてなことが理路整然と知識のない人にも判るように書かれている。これからの研究テーマバラしちゃっていいのかと思うけど、それだけ自信があるって事か。 □脳味噌同士がフィードバックを送りあう攻殻機動隊の世界も近そうだなあ。2014/11/15

yori

6
★★★★★ 最近読んだサイエンス本の中でも一番面白かったです。まず、文章がとても読みやすい。BMIとか面白いと思うのと同時に、怖い、何だが気持ち悪いと思ってしまいます。21世紀は脳の世紀になるのでしょうか。脳科学がより良い社会の実現に役に立つ時がくるのでしょうか。 研究者へ向けたメッセージと取れた部分も参考になった。藤井先生の他の著書もチェックしてみよう。2014/08/17

coldsurgeon

5
正統派の脳科学の本です。人としての社会的認知脳の基本は、「抑制」だそうです。まず自分の気持ちを抑制できる状況があり、そこからどう自己主張していくかが、社会で生きていくために必要です。しかし、抑制するために、その人に「余裕」がないと、抑制することにより生じる不利益に耐えられないことがあり、心の広さが社会で生きていく上では重要ということでしょうか。面白かった。2015/11/21

4
社会性などの高次脳機能を対象とした脳科学は、その機能が物質ではなく情報をベースに実現されているため、今までは操作可能性を見出すことができなかったけど、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)という技術がその状況を変えつつあるのだという。つまりBMIによって脳の情報を読み取り、またBMIから脳に情報を伝えることで、脳と外部システムとの間に双方向性を確保し、その双方向性が脳の情報の操作を可能にするのだ。そしてその操作可能性の獲得によって、脳科学はファンタジーの域を脱し、客観的に検証可能な科学へと2015/06/10

Sunlight

4
BMIについてわかりやすい説明。ありがちな安易な例えの多用に陥らない丁寧な記述。社会と脳とのつながりという意味での題名は理解できる。2014/08/24

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