内容説明
「くさい!」と思っただけで食わず嫌いになっていませんか。しかし、無味無臭こそは亡国の食文化。ニオイこそが、真の美味を生み出しているのだ。あの「くさや」や「糠漬け」が、やみつきになってしまうのはなぜか。親しむべき発酵の「匂い」と厭うべき腐敗の「臭い」の差はどこにあるのか。食の冒険家・コイズミ教授が科学的かつユーモアたっぷりにニオイと食物の世界を案内する。
目次
序章 においは生の原点
1章 おいしい日本のにおい
2章 季節を告げる食のにおい
3章 体によくて芳しい
4章 くらしの中のにおいの文化
5章 においと人の未来
終章 においをなくした日本人へ
著者等紹介
小泉武夫[コイズミタケオ]
1943(昭和18)年、福島県の酒造家に生れる。東京農業大学農学部醸造学科卒。現在、同大学の応用生物科学部教授。農学博士。専攻は、醸造学、発酵学、食文化論。学術調査を兼ねて辺境を旅し、世界中の珍味、奇食に挑戦している「食の冒険家」でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばっか殿すん
23
クンクン。におう。においますな〜。まったく。ハッハッハ。2014/11/09
退院した雨巫女。
9
匂いが、強いのは、苦手です。2010/12/09
Tomomi Yazaki
7
子供は生まれながらにして発酵と腐敗の匂いを正確に嗅ぎ分ける。そうでなければ病気になり、運が悪けりゃ死に至る。当たり前だが不思議な能力だ。そんな話からこの本は始まっている。また匂いには、人間の記憶を呼び戻す作用もあるそうだ。私も暮らしの中の匂いから時折、懐かしい思い出がよみがえることがある。楽しい記憶、悲しい記憶、そして、子供の頃感じた祭りの後の切ない記憶などなど。これは、匂いの不思議さや素晴らしさをわかり易くまとめあげた、退屈な日常に隠れている小さな倖せを見つけるための、エッセンスのような書です。2019/01/07
Endo Takafumi
7
実に腹が減る本でした。そして思っていた以上に面白かったです。食べることが好きな人の文章は美味しそう。日本食、日本人っていいよなと感じられる内容で、なかなか深いです。食から見える真実は非常に説得力がありました。2015/02/27
kinkin
7
匂いと臭いの差はどこにあるのか、においと人の未来、日本人とニオイとの関わりなど、ニオイや食べ物の世界がまとめられていて面白かった。2014/01/19