出版社内容情報
20世紀前半、ケンブリッジは若き天才たちの熱気に包まれていた。物理学の発展をドラマチックに描いた科学ノンフィクションの傑作。
驚嘆。感嘆。圧巻。ケンブリッジ大学には今日までに29人ものノーベル賞受賞者が輩出した研究所がある。20世紀前半、そこは若き天才科学者たちの熱気に包まれていた。中心にいるのは第四代所長ラザフォード。彼と門下生たちの独創的な実験は、物理学に革命をもたらし、研究所の黄金時代を築く。それは20世紀科学に起きた“奇跡”だった――。『ケンブリッジの天才科学者たち』改題。
内容説明
独創的な実験、驚きの大発見。天才たちはここにいた!ノーベル賞29人を生んだ研究所の原動力とは?20世紀科学の奇跡!
目次
序章 キャヴェンディッシュ研究所の誕生
1章 ケンブリッジに昇ったラザフォード
2章 貴族の紋章となった実験
3章 魔法の弾丸と原子の心臓
4章 戦場に散った幻のノーベル賞
5章 ケンブリッジに帰ってきたラザフォード
6章 一九三〇年代の“ゴールドラッシュ”
終章 巨星墜つ
著者等紹介
小山慶太[コヤマケイタ]
1948(昭和23)年、神奈川県生れ。早稲田大学社会科学総合学術院教授。理学博士。専門は物理学、天文学の近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネコタ
15
ノーベル"化学"賞を受賞した原子"物理"学の父と呼ばれたラザフォードと研究所の所長を務めたケンブリッジのキャヴェンディッシュ研究所を中心とした科学史の本。亡くなる前年「核エネルギー利用の見込みはない」と断言していたがその2年後に核分裂が発見される。一つの研究所から29人ものノーベル賞受賞者がでるなんてすごすぎる。2016/06/25
ヤギ郎
14
ノーベル化学賞受賞者・ラザフォードを主人公に、英国ケンブリッジ大学キャヴェンディッシュ研究所で学んだ未来のノーベル賞受賞者たちの物語。高度な化学や物理用語につまづくことはあるものの、研究に人生をかけた人たちの生涯をみつめることができる。本書は、物語調というより、叙述調で書かれているので、飽きるかもしれない。2019/11/23
to boy
10
19世紀後半から20世紀前半の核物理学、量子力学の黎明期の話しにはいつもワクワク感があります。新しい発見、理論がつぎつぎに出てきて何度読んでも飽きません。この本はそんな時代の第一人者ラザフォードをに注目して書かれた物語。物理学者として、教育者としての素晴らしい人だったようです。古典力学から量子力学への変換期に彼らが存在したことの僥倖を思わざるを得ません。2013/11/25
akio
8
タイトルからケンブリッジの系譜的な題材かと 勘違いしたが、ラザフォードという天才を軸にした伝記ものだった。ひとりの研究者として天才であっただけでなく、指導者としても驚くべき実績である。それ以上にその栄光が特権階級の恵まれた環境下ではなく、移民の子として開拓者の生活から育まれたものであったことに特に魅力に感じた。2014/02/07
松本ポン太
6
最近のボクにしては集中できて2週間くらいで一気に読み上げました。 ニュージーランド出身でイギリスで活躍した実験物理学者ラザフォードを中心に彼の周りに集った俊英たちの評伝です。 原子核の構造が明かされ始めた物理学のワクワクするような時代が語られています。難解な数式がない代わり図示もなくエッセンスのみが語られているので、ボクは学生の頃に受けた量子物理学の講義でノートにとっていた図を思い出しながら読みました。2014/11/05