感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
読み友さんが読んでいるのを見て、なつかしさのあまり手に取ってみました。私の年代は物心がついてから「週刊新潮」の表紙ということでずうっとお世話になった気がします。最初は不思議な絵だなあと感じていたこともありましたが、見慣れるとどこかで見たような場面がいつもありなつかしさを覚えます。しかもカラフルでいいですね。ほかの本(新潮文庫)も読んでみます。2016/05/29
ホークス
36
1981年刊。谷内氏は週刊新潮の表紙を25年間描いた。私は10年ほど前に新潮文庫の選集で好きになった。本書は画家の横尾氏の選。谷内氏の絵はルオーのイコン風作品を連想させる。素朴で優しくて清澄。今回は視線を楽しませる工夫に着目してみた。暗い室内とは対照的に窓の外は明るく、世界の広さを感じられる。夜はあくまで寂しく、小さな灯りが目を吸い寄せる。海は荒々しさと色んな夢の断片に満ちている。謎めいたトンネルは、つい覗き込みたくなる。影法師、機関車、船、魚、小鬼などが画面に動きと幻想を与える。けっこう発見があった。2025/04/18
りくう
35
一冊を通して時間がゆったりと流れていく感覚。ところどころでくすりときてしまう文があったりして、読み物として楽しめる。2016/01/23
犬こ
26
ページをめくる度、はっと驚かされたり、思わず微笑んでしまったり、恐怖を感じたり、匂い、温度を感じたり。五感に、あるいは第六感?に響くこの発想、決して真似できない谷内六郎独自の感性だけれども、誰もがわかるという。やはり凄い才能だとつくづく感じます。2016/05/19
とんこ
14
何度目かの再読。子供の頃週刊新潮の表紙で見ていた頃はちっとも響かなかった絵がこんなに好きになるとは。子供の想像と大人の郷愁が、素朴なタッチで表現されている。早朝の冷たさや夕暮れの不安や、自分の中にも確かにあったものが描かれていて、何度見ても飽きない。文章も時代を感じて面白い。
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