新潮文庫
かなしぃ。

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101251424
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

僕はお加代と二人きりで飲み、明け方近くまで何度も彼女の匂いを嗅いだ。多少ふっくらとはしていたけれど、三十歳になったお加代は相変わらず可愛らしかった―。若さを手放しつつある青年たちを、世界は優しく包み込む(「かなしぃ。」)。人生の哀しみと愛しさを刻む珠玉の短編集。文庫オリジナル作品「スクリーンセーバー」を加えた全6編で刊行!『そらいろのクレヨン』改題。

著者等紹介

蓮見圭一[ハスミケイイチ]
1959(昭和34)年、秋田市生れ。立教大学卒業後、新聞社、出版社を経て作家に。2001(平成13)年のデビュー作『水曜の朝、午前三時』がベストセラーとなり話題になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

June

23
小学生の二人の息子と妻のいる作家の日常。一部連作短編だろうか。「かなしぃ」友人の結婚式で故郷を訪れ感じる懐かしさと優しさ。ふうわりと響く「詩人の恋」エリート出身の編集者との交流の話も粋だ「スクリーンセーバー」近所に住む初老の塾講師は数学が得意、作家の主人公との会話が興味深い「セイロンの三人の王子」新聞記者の忙しくてギリギリの生活と野心との危うい精神バランスが伝わる。久しぶりに同期と再会することになったエピソードがより際立たせている。そして各所に人の死という、抗うことのできない悲しみも描かれていてとても深い2017/11/11

琉詩亜

12
表紙の雰囲気が好みで借りてみた本。主に文章を書く人が主人公の短編集。子どもが重病で亡くなる話は苦手です……今を大切に生きなさいってことなんですかね(゜ー゜)2013/10/19

さと

11
「あなたが無駄に生きた今日は、昨日死んだ人が痛切に生きたかった明日である」(スクリーンセーバー)すでに多くの読者の心をとらえて離さない言葉だと思うが、不思議と蓮見氏の作品にあってはただただ美しいと感じる。  若くして人生を閉じた者たちの、死への抗いや叫びによってではなく、彼らを取り巻く大人たちの日常によってみせる「生」。淡白なほどの筆致ながらじんわりと沁みてくる。『彼が取れないようなボールを投げようとはもう思わない』息子は父の受容を、受けるミットに感じているだろうか。2014/03/13

退院した雨巫女。

11
長編をよんでみたくなる。「かなしぃ。」が、一番好きかな。2011/01/13

cithara

7
私は今日までこの作家の名前も作品も知らなかった。古本屋で文庫本の表紙を見て一目惚れして即購入。暗闇に浮かぶキャンドルの炎が、六つの短編に共通する生きることのはかなさを表しているかのよう。解説の児玉清氏の文章もまた「かなしぃ」。彼が他界した今となっては特に… 『スクリーンセーバー』がとても印象的だった。こんなことが小説のテーマになるなんて思ってもみなかった。数式は苦手。頭が痛くなる。「あなたが無駄に生きた今日は、昨日死んだ人が痛切に生きたかった明日である」考えさせられる言葉だ。他作品も読んでみたい。 2013/04/24

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