出版社内容情報
最初から知っていた、きっとこれが最後の恋だと――。
著者最高の恋愛小説。解説・小池真理子
内容説明
出会いは運命だった。17も年下の彼に、こんなにも惹かれてゆく―。孤高の魂を持つ、版画家の咲世子。人生の後半に訪れた素樹との恋は、大人の彼女を、無防備で傷つきやすい少女に変えた。愛しあう歓びと別離の予感が、咲世子の中で激しくせめぎあう。けれども若く美しいライバル、ノアの出現に咲世子は…。一瞬を永遠に変える恋の奇蹟。熱情と抒情に彩られた、最高の恋愛小説。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960(昭和35)年、東京生れ。成蹊大学経済学部卒業、広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。’97(平成9)年9月「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー。2003年7月『4TEEN』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
201
とっても素敵♡45歳の版画家、咲世子は17歳年下の素樹と出逢い恋に落ちる。石田衣良さんの作品を読むのは5作目。男性ですが女性視点で描かれていて全く違和感なく共感しながら読めてしまうのがスゴイ!女性が年上の場合、自分の年齢に引け目を感じてしまうと思いますがこんなに真っ直ぐな想いをぶつけられたらキュンとしてしまうんじゃないかなぁ♡恋する時って年齢も立場も関係なく気付いたら好きになってしまいますよね。後半で切なくなったり色んな気持ちになり数回泣いてしまいました。島清恋愛文学賞受賞作。終わり方も大好き♡2016/04/01
おしゃべりメガネ
196
賛否両論色々と思いや意見が分かれる内容かもしれませんが、自分は女性じゃないからか、客観的?に楽しく読ませてもらいました。読む方が主人公と同じような境遇?なら、主観的に物事の捉え方も違うでしょうし、この物語に出てくる相手方の青年のような方が読者なら、当然また違う視点で読まれるでしょうね。自分はいいのか悪いのか、どちらでもなかったので単純に物語を楽しめました。年上女性の恋愛は決して、否定、非難するものではなく、恋愛の結果はどうであれ、恋愛に至るまで、そして恋愛真っただ中にある自分を大切にすべきなんでしょうね。2009/01/24
遥かなる想い
195
45歳の女性版画家 咲世子と 17歳年下の 青年 素樹との恋の物語である。 やや引き気味の 咲世子の姿勢が 微笑ましい… 人生の経験値が高い女性が 恋に揺れる様を 抑え気味に 描いている …そんな作品だった。2018/11/16
takaC
140
うーん、やっぱり無駄に長い気がする。この手の話はもっと余計な贅肉を削ぎ落としてスリム化した方が要点がより引き立つと思うな。2016/04/12
優希
126
とても素敵な恋愛でした。17歳の年の差の恋ですが、互いに惹かれ合う純粋な想いに胸が打たれます。孤高の魂を持つ咲世子を少女のように変えてしまう素樹。そこには愛の喜びという奇跡があるように思いました。最後の恋だと思うからこその情熱と叙情が美しかったです。濃厚で官能的な恋。今まで色彩のなかった世界が色づき、輝きのあるものへと変化する。そんな経験をしたのではないでしょうか。登場人物たちの強い絡み合いや綺麗な表現が印象的でした。2016/04/18