内容説明
肥前佐賀の大名、鍋島直茂は関ヶ原の合戦で二股をかけた。初め西軍についた直茂は、家康の勝利を確信するや、豊臣方の立花宗茂を隣国・柳川城に攻め、領地安泰をはかったのである。その直茂が自らの墓碑に豊臣家への忠誠を表す「豊臣朝臣」の文字を刻んだ真意とは…。表題作「権謀の裏」をはじめ、武士の激しく哀しい生きざまと、内に秘められた思いを峻烈に描いた秀作10編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょうやま
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S63.11第1刷、新人物往来社発行の単行本で読了。 桜田門外の雪が特によかった。
あんさん
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本書中の曽我兄弟の仇討ち話を知りたくて読んだ。想像していたよりも複雑な背景。他の作品を含め単純な勧善懲悪物ではなく、読後いろいろ考えさせられる。2014/09/27
Melody_Nelson
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鍋島藩の成り立ちが知りたくて表題作が読んだのだが、思わせぶりな割にはガッカリだった謎かけはともかく、学ぶことはできた。他の短編も、そこそこ面白かった。2013/05/05
Ryuji
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★★★
renren
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表題作はじめ著名人物や世に知られた大事件を描いたものは何故かひどく読みにくかった。後半の敵討ちものは秀逸。仇=悪者憎い奴、本懐を遂げた=ばんざーい!となるほど甘いものではない、人の心の闇と道を貫く理不尽を描いている。「返り討ち無情剣「くらやみ無限」秀。2010/06/23