内容説明
死はいつか必ず訪れるものである。しかし地球上に何億の死があっても、古今の哲学や最新の科学を学び、他人の死にざまを見せられても、所詮は他人の死であり、一般論でしかない。人は結局自分の死を死ぬことしかできないのだ。だが、それだからこそ、人は死について考えざるを得ない。いま私たちに必要な「死」の準備とは何だろうか?各界の識者42人が様々な死の受けとめ方を綴る。
目次
「もう齢など忘れてしまって」 芹沢光治良
願わくは花のしたにて春死なん 高橋正雄
笑って死のうハンカチーフ 城夏子
人生は未完のまま終りを告げる 石垣綾子
「美しい女」実は死神 佐藤朔
齢80の居候 山室静
明治生まれの士族らしく 長谷川周重
役者行路 中村伸郎
生きているうちは死はこない 飯沢匡
赤色が象徴する「生」と「死」 岡本太郎
「ではお静かに…」といきたいが 戸川幸夫
遺言状を書く必要がなかった人 新藤兼人〔ほか〕