内容説明
旅とは何か、なぜ人は旅へと駆り立てられるのか?冒険と叙情に満ちた紀行文学であり、瑞々しい青春記でもある名作『深夜特急』の誕生前夜、若き著者には秘められた物語の数々があった…。幾多の読者からの絶えざる問いかけに初めて、そして誠実に応えた“旅”論の集大成、著者初の長篇エッセイ。
目次
序章 旅を作る
第1章 旅という病
第2章 旅の始まり
第3章 旅を生きる
第4章 旅の行方
第5章 旅の記憶
終章 旅する力
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。’79年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、’82年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、2000年に初めて書き下ろし長編小説『血の味』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
139
沢木さんの原点ともいうべき若かりし頃がよくわかります。長洲一二先生のゼミにいらしたということで銀行に一日だけいてすぐに原稿書きになったということは大変な決断であったろうと思います。すでに高校生で日本のほとんどを旅行していたということでもすごいと感じました。「調査情報」という小冊子に書き続けて苦労した様子が書かれています。2022/12/03
よこしま
71
これを読む前に最低でも「深夜特急」の1便は読んで欲しい、予め冒頭に触れておきます。◆要約すると、著書は「深夜特急」最終便と表現すればよろしいのでしょうか。◆デリーからロンドンへの鈍行バスの旅手前の馴れ初めから、帰国して「深夜特急」執筆までに至る経過。関わる仕事での人間関係が描かれ、著者のお言葉通り「人生こそが旅」が心に沁みます。なかなか海外はムリですが、学生時代に青春18切符で旅をした際、同じ電車に乗ってる学生さんとの会話もよい経験でした。◆地で続いてる以上、一つ一つの変化を僕は目や肌で感じたいですね。2016/02/12
金吾
70
○旅に対する考えはやはりあんな大旅行をしただけあり、身に染みてきます。深夜特急の背景などもわかり面白かったです。人に接するのが苦にならないのは旅の彩りを濃くする最大の要素なのだろうなと思いました。2021/11/23
ぶんこ
59
旅の行き先、貧乏旅行か贅沢旅行か。 先進国の街歩きか、大自然との対話か。 旅には適齢期があるとは、還暦すぎて、足腰が弱り、行きたくても行けなくなって初めて痛切に感じました。 26歳の独身男性、フリーランスの仕事だったから出来たとも言えるのかな。 最も印象に残ったのは「わかっているのは、わからないということだけ」。 知ったかぶりは怖い。 旅に出る以上は、相手国の習慣、常識を理解して、敬意をはらう事でしょうか。 「深夜特急」の前後の事情や、沢村さんの生き様が、わかり易く書かれていました。2014/08/24
ken_sakura
58
○今また深夜特急以外の深夜特急を読めたことに満足。そして感謝。2013/11/10
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