内容説明
『蝶の舌』『ピンポン』などのヒット映画から、ピート・ハミルや古井由吉の本まで、著者は決して手放しに褒めない。たとえ欠点があるとしても、なぜ自分はその作品が楽しめたのかを率直にやわらかく語る。長野五輪と日韓W杯では、選手の内面に視線を向けて、プレー中の一瞬の決断や逡巡に推理をめぐらす。映画と本とスポーツをこよなく愛する著者による刺激的なコラム批評99編。
目次
Cinema―銀の森へ
Books―いつだって本はある
Games―冬のサーカス
Games―ピッチのざわめき
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、’79年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、’82年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、’95(平成7)年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
153
沢木さんといえばいまやノンフィクションの大家ですが、この中には映画、本、スポーツに関してのじっくり読ませてくれるエッセイが収められています。とくに映画については「暮らしの手帳」に連載されていたものもあって、本当に細かなところまで書いてくれてまさに映画鑑賞の文章のお手本のような感じです。とくに私も見た「暗い日曜日」についての文章が印象に残っています。2016/01/13
優希
72
映画と本とスポーツに関するエッセイでした。映画とスポーツと本をこよなく愛する想いが伝わってきます。中でも本についての語りに興味を持ちました。2019/06/02
hope
25
映画と本とスポーツのコラムを集めた一冊。それを書いたのが沢木氏なら、つまらないはずがない。これらがなかったら、僕の人生はもっと味気ないものになっただろうと思う。 再読だけど初登録。僕にとっては「こうたろう」といったら、伊坂でも小泉でも俵でもなく、沢木である。以下、印象的なテキストの抜粋。長いです。←2020/03/17
ホークス
17
映画と本とスポーツの批評99篇。未見の映画、未読の本が多いのに疲れず面白いのは、語りが率直だから。物事の本質にこだわるところも信頼が置ける。スポーツ物も競技者の体感を表現したりして楽しめる。ただ長野オリンピックの観戦記は問題意識に偏り過ぎで、短文ではちょっと無理があると感じた。2016/04/17
くものすけ
10
長野オリンピック、ワールドカップは兎も角、本と映画(DVD)で読んだり見たり出来るので、興味が湧いたものについては是非追体験したくなった。一体全体この読書の幅広さはどこから来ているのだろうか? 他方、スキージャンプは風、天候の影響が物凄く大きく、成績は運に左右されることが改めてよく理解出来た。2019/07/17