出版社内容情報
孤独だけど、独りじゃないわ――稀代の舞踏家をモチーフにした表題作ほかミステリ、SF、ホラーなど味わい異なる珠玉の十九編。
パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。いつのまにか彼女に手をひかれた私は、光の中で跳びはねていた。孤独だけれど、独りじゃないわ。たとえ世界が終わろうと、ずっと私を見ていてくれる?――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフにした表題作ほか、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、彩り豊かに味わい異なる全十九編の万華鏡。
内容説明
パーティ会場でぽつんとしていた私に、不思議な目をした少女が突然声をかける。いつのまにか彼女に手をひかれ、私は光の中で飛び跳ねていた。孤独だけれど、独りじゃないわ。たとえ世界が終わろうと、ずっと私を見ていてくれる?―稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフにした表題作ほか、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、彩り豊かに味わい異なる19編の万華鏡。
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。’92(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、’06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、’07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
206
『昼寝中の私の頭を踏み越えようとした散歩中の猫が、私の左の耳の穴に落ちてしまった』。そんなかっ飛んだ始まり方をする短編など19もの短編が収録されたこの作品。そこには、「図書室の海」、「朝日のようにさわやかに」に続く、恩田さんの三作目の”ノンシリーズ短編集”の姿がありました。さまざまなジャンルをつまみ食いできるこの作品。そんな作品の中に恩田さんらしさを垣間見ることのできるこの作品。短編でも決して消えない恩田さんの魅力溢れる作品世界の独特さに、恩田さんの個性の強さを改めて感じることのできた、そんな作品でした。2024/02/08
KAZOO
125
これもこのお気に入りさんの感想で読みました。様々なジャンルの短篇を楽しめます。本のつくりも凝っていてこのような感じの作品集は大好きです。どれも趣向を凝らされていて特に表題作は好みです。読み終わるのがもったいない気がしました。2015/09/28
hideko
97
短編集。ミステリー、SF、ホラー。 後は星新一さんを彷彿とさせるショートショート。…とバラエティにとんだ作品群。 文字のフォントをかえてあったり、横書きにしたり、さすがの陸さん。 私はショートショートが一番好みでした。 この方はミステリー作家とかファンタジー作家とか、ひと括りに出来ない。2017/05/29
NADIA
88
ミステリ、ホラー、SF、ショートショートなど19編が収録された短編集。恩田陸の短編集は他にも読んだ事があったが、この一冊には何編かからりとした星新一色を感じるものがあった。中学生時代は星新一をよく読んだので、思わず懐かしさを感じた。一番印象的だったのは横書きの「東京の日記」。戒厳令下の日本の様子をわずかに日本の血が入った外国人の女性が日記に著しているという作品。2010年の作なのに微妙に未来が言い当てられていてどきりとする。あとがきで恩田さんが書かれているように、このような息苦しい社会になりませんように。2017/11/02
まりも
81
ミステリーとSFとファンタジーと恋と色々なものが混じった短編集。久しぶりの恩田さん作品でしたが、とても良かったです。読んでる最中も勿論面白いのですが、全ての話を読み終えたあとに来る感覚は更に良いですね。作品の持つありそうであり得ない不思議な世界観と読後感が絶妙にマッチした作品だと思います。「私と踊って」というタイトルも素晴らしいですね。個人的に気に入ったのは「忠告」と「協力」でしょうか。対になったお話なのでとても興味深かったです。作者さんの他の作品もいつか読みたい。2015/09/10