新潮文庫<br> 悪夢小劇場

新潮文庫
悪夢小劇場

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101230115
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

クルマの免許取り立てでデパートに買物に出た中年女性歯科医が、緊張のあまりいつしか帰路を見失い、二昼夜東京近県を彷徨う「ちりぢごく」。肥大化したブルドッグに悩まされる飼い主の滑稽と悲惨「死者の鼾き」。住宅展示場でまんまと一杯食わされた一家の嘆き「しあわせ家族」。他に「俗物行進曲」「銀輪の檻」「物いわぬ海」等々、昭和最後の鬼才が放つ恐怖のお楽しみバラエティ十二夜。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Take@磨穿鉄靴

41
花輪氏の作品はこれが初めて。アッサリとした味付けの短編集。良かったのは「正気」。理論的なカウンターを当てた感が恐怖より爽快感あり。余計な味付けがないのでくどくなくて良い。「物いわぬ海」とか読むと三陸とかの復興はまた同じような津波がいずれ定期的にやってくる事を想定した上で行わないとまた来るだろうし島国である我が国に住まう自分も他人事ではない。あまり明るい未来のない世界観。夜中に少しずつ読むのが向いてる。★★★☆☆2020/05/22

Yu。

24
平和な日常に突然影を落とす12のダークサイドストーリー。お気に入りは、大学の山岳部員達が雪山で体験する恐怖はまさに山の怪談「白魔」。亡き夫が残した土地に拘る老女を襲う世の無常さに、もうやるせない思いに駆られる…「銀輪の檻」。※三陸海岸大船渡を襲った地震や津波が描かれる「物いわぬ海」だけは他の話とは一線を画してます。2015/07/14

Spok

9
不条理で不幸な話。それぞれ面白かったが後味の悪さは抜群。そんな中で「物いわぬ海」は自然の凶暴な力に2度もメチャクチャにされながらも生き残った佐々田ファミリーがナイス。2015/08/16

五月雨みどり

7
昭和58年に書かれた「物いわぬ海」(内容は、明治・昭和初期に実際に起こった三陸海岸での大津波の顛末)を、私は平成3~5年ごろに読んでいる。海辺近くに育った私は、子供のころから津波の夢をよく見ていたから、この話はとても印象に残っていた。まさか自分の生きている間に2011年のような大津波が来るとは思っていなかったので、私や周りに人的被害はなかったものの戦慄していたと思う。最近、かつてこの本を読んだことをふと思い出し、古本を買ってみた。やはり何とも言えず心がざわつく作品で、家の本棚に保管しておくべきだと思った。2017/11/04

雲國斎

4
またまた初読みの作家さん。が,これが予想外におもしろかった。運転に不慣れな奥様が目と鼻の先の目的地に到達できない,都会の交通事情ならさもありなんという話があったな。1994/03/10

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