内容説明
時に私を愛し、時に私を壊して去っていった男たちの「からだ」を思い出す。彼とセックスをすると、自分が浄められ、生まれたばかりの瞬間に戻っていくような気がした。爪を切った直後に別れた男がいた。ひとりだけ、朝いっしょに風呂に入って、からだの隅々まで洗ってやった男がいた。今、せつない記憶の数々が鮮やかに蘇る。とてもエロティック、でも、とびきり純粋な性と愛の物語。
目次
目―目は男が放った怨念の矢であるかのようにときどきわたしを金縛りにする。
耳―「わたしの顔のどこが好き」と女に訊ねられて、「耳」と答える男はまずいないだろう。
爪―爪を切った直後に別れた男がいる。
尻―頽廃と軽薄は美しい肉体に宿る。
唇―でもなぜだろう、キスをすればするほど不安に襲われるのは?
肩―ときどき彼の肩はわたしの目の前にぽっかりと、救命うきわのように浮かぶ。
腕―腕枕、腕を組んで歩く、腕は男のからだのなかでもっとも幸福なイメージが湧く場所だ。
指―彼らの指は十歳以前のわたしの性器に触れたことをおぼえているだろうか。
髪―フランス語では髪(CHEVEUシュヴュ)は男性名詞なのだそうだ。
頬―お姉ちゃんは猫のような仕種で伸びをしてパパの頬に頬ずりをする。〔ほか〕
著者等紹介
柳美里[ユウミリ]
1968(昭和43)年、神奈川県生れ。高校中退後、「東京キッドブラザース」を経て、’88年、劇団「青春五月党」を結成。’93(平成5)年、『魚の祭』で岸田国士戯曲賞、’96年、『フルハウス』で野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞受賞。翌年『家族シネマ』で芥川賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
James Hayashi
かいちゃん
とも
メルコ




