出版社内容情報
Q.巨石を背負うシーシュポス、カミュの名作でも知られる男の罪は? 西欧文芸を深々と理解するために。
妃の目をぬすんで恋人と逢引を重ねるゼウス大神とそれを嫉妬するへーラー。美を競う三女神、アプロディーテー、アテーナー、へ一ラーは審判役のパリスに賄賂を贈る。人間味あふれるギリシアの神々の物語は、古代ギリシア民族の生活をそのまま写しとったものであろう。西欧文芸の理解に欠くことのできないギリシア神話を、著者独特の文体で読みやすく書きおろした待望の書。
内容説明
妃の目をぬすんで恋人と逢引を重ねるゼウス大神とそれを嫉妬するヘーラー。美を競う三女神、アプロディーテー、アテーナー、ヘーラーは審判役のパリスに賄賂を贈る。人間味あふれるギリシアの神々の物語は、古代ギリシア民族の生活をそのまま写しとったものであろう。西欧文芸の理解に欠くことのできないギリシア神話を、著者独特の文体で読みやすく書きおろした待望の書。
目次
第5章 諸地方の伝説(デーバイをめぐる伝説;クレーテーの伝説;テッサリアの伝説 ほか)
第6章 英雄伝説(ペルセウスの物語;ヘーラクレースの物語)
第7章 叙事詩の世界(アルゴー遠征の物語;トロイア戦役の顛末;『イーリアス』の物語;『オデュッセイア』の物語)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウリツィウス
23
古代ギリシャ文明が征圧した奴隷制に支えられる古典の保存性はキリスト教化される以前の原始的社会像とも解釈可能で肉体様式を追究する美意識は彫像ではなく具象化されたロゴスと捉える。多神論の統べる多層構造論は人類学による神話研究の限界性を説き北欧の神話群を選民的軍事世界と危険視、宗教的威信を喪失したのち尚も権威を誇るのは無神論実存主義へと還元されることで事実性を眩まし幻想に帰することで大衆文化に蘇生されることを望んだからだ。統治論においてキリスト教に譲るも国家論を導き続けた古代思想はジョイスらの台頭を待ち続ける。2013/05/05
まこ
13
下巻は人間が話のメインで神様が手助けするんだけど、神様の行動のほうが面白い。ヘラクレスやイアソンもカッコいい英雄だけど、アホな面もあって魅力的。ギリシャ神話ってカッコよさも間抜けさも描いた登場キャラのほうが生き生きしているんだよね。ハッピーエンドだったのにとんでもないオチが付くパターンの話が読んでてワクワクする。ただ、下巻では呉先生独特の突っ込みが減ったのがさみしいかな。2021/03/11
いおむ
9
再読ー!2017/05/07
ヴェルナーの日記
9
本書の上巻は、主にギリシャの神々の物語が中心だったのに対し、下巻では、英雄譚が主になっている。ペルセウスのメデューサ退治や、テーセウスのミノタウルス退治。アルゴ探検隊やヘラクレスの12の難業など、読んで面白い話ばかりである。中でもホメロスのイーリアスとオデッセイアは圧巻であり、本書を読んで興味を抱かれた方は、是非、ホメロスの2作品を読むことをお奨めする。ただ、ギリシャ神話を総体的に理解しようとするのは無謀なことと思う。巻末の系統図を見れば判るように、複雑に絡み合った関係を容易にとき解くことは無理だろう。2013/11/08
Hiroshi
5
ギリシア神話の下巻。上巻は、①オリュンポス以前の世界、②オリュンポスの神々、③諸王家の伝説となり、下巻は、④諸地方の伝説、⑤英雄伝説、⑥叙事詩の世界となる。③人間はプロメーテウスの子のデウカリオーンから始まり、アイオロス(アイオロス人の祖)、ドーロス(ドーリス人の祖)、クスートス(アカイア人とイオーニア人の祖)が生まれた。これらの人々がギリシアに広がっていく。④それぞれの話は短いのも多い。アッティケーの伝説になるとポセイドーンとアテーナイの争いから始まり、アテーナイの王位に就いた英雄テーセウスと長いのだ。2023/08/06
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