新潮文庫
闇市

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101215365
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

一枚の百円紙幣が語り手となり、闇屋、陸軍大尉などを転々としながら見た欲と情の光景を綴る太宰治「貨幣」。会社の命令で闇食糧の調達に奔走し、その最中に逮捕された朝鮮人の悲惨な運命を描く鄭承博「裸の捕虜」。平凡な会社員が電車内での突発事から闇屋として生き抜くことに目覚める梅崎春生「蜆」──終戦時の日本人に不可欠だった違法空間・闇市。その異様な魅力を伝える名短篇11作を収録。

マイク・モラスキー[マイク モラスキー]
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内容説明

一枚の百円紙幣が語り手となり、闇屋、陸軍大尉などを転々としながら見た欲と情の光景を綴る太宰治「貨幣」。会社の命令で闇食糧の調達に奔走し、その最中に逮捕された朝鮮人の悲惨な運命を描く鄭承博「裸の捕虜」。平凡な会社員が電車内での突発事から闇屋として生き抜くことに目覚める梅崎春生「蜆」―終戦時の日本人に不可欠だった違法空間・闇市。その異様な魅力を伝える名短篇11作を収録。

著者等紹介

モラスキー,マイク[モラスキー,マイク] [Molasky,Michael]
1956年、米国セントルイス市生れ。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学研究科博士課程修了(日本文学で博士号)。ミネソタ大学、一橋大学教授を歴任、現在は早稲田大学国際教養学部教授。日本の戦後文化およびジャズ音楽を主に研究。落語、将棋、居酒屋などの日本文化に造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蓮子

87
戦中戦後にかけて存在していた違法の市場、闇市に纏わる11作品を収録。混沌とした闇市には何をしてでも生き延びようとする人の逞しさや強かさ、時には隣人愛的な情すら垣間見える。実体験であろうとされる、朝鮮人の悲惨な運命を描く鄭承博の「裸の捕虜」、戦死した父の幻想を抱きながら男娼と化し、母親との近親姦で内なる父親像を打ち砕かれる野坂昭如の「浣腸とマリア」、何が正常で何が異常なのか混乱した時代を反映するようなキャラクターが登場する坂口安吾の「日月様」。どの作品も短いながらとても密度が濃く、面白いテーマのアンソロジー2019/08/07

壮の字

65
【異胎の時代】今夏は「戦後」を狙ってみる。違法でありながらも、経済の活力源でもあり、貧しさのなかの栄養源でもあった。敗戦直後の各地方の主要停車場にできた「闇市」にまつわる短編で構成されている。敗戦により「戦中」と「戦後」のあいだに時代的境界線を引きたがるのは、自らを「戦争」から切り離したい我々なのかも知れない。ほぼ敗戦直後に執筆された作品のなかの時間は「現実」のままでしっかりと繋がっている。いちばんひびいたのは、焼け出された都会人を喩えた『蜆』(梅咲春生)。リュックの中であげる蜆たちの鳴き声が哀しい。2019/06/20

rui

30
闇市にまつわる3つのテーマから作者のちがう11編の物語。 その時代に描き、世の中にあまり出回っていない物語をセレクトしたと書いてあった。 読みにくいものもいくつかあったけれど、戦前戦後の時代をより濃く描いてあってすごく面白かった! ちょっと怖い表紙に負けずに読んでよかった(笑)2018/12/19

JKD

25
戦後の激動期を象徴する闇市。この本に出てくる闇市のくだりはどれも決して美化することなく胡散臭いまま生々しく語られていた。こういう混沌としたエネルギッシュな異空間ともいえる独特の世界を逆に新鮮と捉え、好奇心と恐怖感を織り交ぜながら読ませてくれる本書は「もの凄い本」でした。2018/10/03

小木ハム

19
11人の作家から『闇市』要素のある作品で編まれたアンソロジー。戦中戦後の市生へ十分にモノが流れない時代、違法とされる闇屋の商売は公然に浸透していた。当局も必要悪として半ば黙認していたようだ。エーリッヒフロムの『悪について』によれば、人類を後退させる機能がほぼない闇市にはこの定義が当て嵌まらず、善悪二元論では語れない。闇市場では″モノ″だけでなく″ヒト″も″カネ″も流通する。そこには退廃ではなく混沌と熱気が存在し社会を前進させる力がある。人の強かさ逞しさを味わえる一冊でした。2019/08/21

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